夏の発熱・夏風邪の原因と受診のタイミング

夏の発熱・夏風邪の原因と受診のタイミング

「夏なのに熱が出た」「のどが痛くてだるい」「エアコンをつけたら体調が悪くなった気がする」——梅雨明けから初秋にかけて、こうした症状でご来院される患者さんが急増します。

夏の発熱は、冬のかぜとは原因ウイルスが異なります。エアコンをつけて窓を閉め切った密閉空間が増えるこの季節、ウイルスが室内にこもりやすく、咽頭結膜熱(プール熱)・溶連菌感染症・ヘルパンギーナ・コロナウイルス感染症・インフルエンザ+コロナの混合感染(いわゆる「インコロ」)など、夏特有の感染症が目立ちます。

このページでは、夏に発熱が増える理由、主な夏の感染症の特徴、受診すべきタイミング、当院での検査・治療について解説します。

  • 迅速検査(インフルエンザ・コロナ・溶連菌)で原因を正確に診断

  • 症状に合わせた治療薬・対症療法の処方

  • 家族・職場への感染予防アドバイスも

  • 予約なし・当日受診OK | 毎日9時から診療

👉 「夏なのに熱が続く」「のどが腫れて痛い」方は、まずご来院ください。

なぜ夏に感染症が増えるのか|エアコン・密閉空間との関係

「夏は暑いので窓を閉めてエアコンをかける」——これが夏の感染拡大の大きな要因の一つです。

① 密閉空間でウイルスが滞留する

窓を閉め切った室内では、感染者のくしゃみ・咳・呼気に含まれるウイルスが換気されず、空気中に滞留し続けます。エアコンの風に乗ってウイルスが部屋中に拡散するため、同じ空間にいるだけで感染リスクが上がります。職場・学校・電車・飲食店など、冷房が効いた密閉空間が感染の温床になります。

② エアコンによる粘膜乾燥・免疫低下

エアコンの冷気を長時間吸い込むと、のどや鼻の粘膜表面の温度が下がり、局所の血流・免疫細胞の働きが低下します。加えてエアコン使用中の室内は湿度が40%以下になりやすく、粘液の分泌が減少。粘膜のバリア機能が弱まり、ウイルスが侵入しやすい状態になります。

③ 室内外の温度差による自律神経の乱れ

35℃超の屋外から20℃台の冷房室への急激な温度変化が繰り返されると、自律神経のバランスが乱れます。体温調節がうまくいかなくなり、免疫力が低下してウイルスに感染しやすい状態が続きます。これが「夏バテ」と感染症が重なりやすい理由でもあります。

④ 夏のウイルスはアルコール消毒が効きにくい

冬風邪の原因となるインフルエンザウイルスや冬のコロナウイルスはアルコール消毒が有効ですが、夏の感染症の主要な原因であるエンテロウイルス(ヘルパンギーナ・手足口病)はアルコールへの抵抗性が高く、石けんと流水での手洗いが最も有効な予防法です。

夏の主な感染症|種類・特徴・見分け方

夏の発熱の原因は複数あります。症状が似ていても原因・治療が異なるため、正確な診断が重要です。

疾患名

主な症状

原因・感染経路

治療

咽頭結膜熱(プール熱)

39〜40℃の高熱・のどの腫れ・目の充血(結膜炎)が三大症状。目の症状は片方から始まる

アデノウイルス。飛沫・接触感染。かつてプールの水からの集団感染が多かったが、現在は日常接触が主

特効薬なし。解熱・対症療法。出席停止(症状消失後2日)

溶連菌感染症(溶連菌咽頭炎)

突然の高熱・のどの激しい痛み・扁桃の白い膿。咳・鼻水は少ない。発疹(猩紅熱)を伴うことも

A群溶血性連鎖球菌(細菌)。飛沫・接触感染。春〜夏・冬に流行のピーク

抗生物質(ペニシリン系)が有効。10日間服用が基本。放置すると腎炎・心炎の合併症リスク

ヘルパンギーナ

38〜40℃の高熱・口の中(口蓋垂周辺)の水疱・潰瘍・強いのどの痛み。乳幼児に多い

エンテロウイルス(コクサッキーA群)。飛沫・接触・糞口感染。6〜8月にピーク

特効薬なし。対症療法。脱水に注意。のどの痛みで食欲低下しやすい

手足口病

微熱〜38℃・手のひら・足の裏・口の中に小さな水疱。乳幼児に多いが大人も感染

エンテロウイルス・コクサッキーウイルス。飛沫・接触・糞口感染。夏に流行

特効薬なし。対症療法。まれに重症化(脳炎・心筋炎)するため注意

新型コロナウイルス感染症

発熱・咳・のどの痛み・倦怠感・鼻水。重症化リスクは高齢者・基礎疾患のある方に高い

コロナウイルス(SARS-CoV-2)。飛沫・エアロゾル・接触感染。通年性だが夏も流行継続

抗ウイルス薬(重症化リスクのある方)。抗原検査で診断。対症療法中心

インコロ(インフル+コロナ混合感染)

インフルエンザとコロナの症状が重複。38℃超の高熱・関節痛・倦怠感・のどの痛み・咳。症状が重くなりやすい

インフルエンザウイルス+コロナウイルスの同時感染。密閉空間・感染拡大期に起きやすい

両方の迅速検査で診断確認。抗インフルエンザ薬+コロナ抗ウイルス薬を状態に応じて処方

インフルエンザ

38〜40℃の急激な高熱・関節痛・筋肉痛・倦怠感。のどの痛み・咳を伴うことも。近年は夏にも流行

インフルエンザウイルス。飛沫・エアロゾル感染。かつては冬季が主流だが夏の流行も増加

抗インフルエンザ薬(発症48時間以内が効果的)。迅速検査で診断

各疾患の詳しい解説

咽頭結膜熱(プール熱)— アデノウイルス感染症

咽頭結膜熱は、アデノウイルスによる感染症で、夏の代表的な発熱疾患の一つです。「プール熱」という名称は、以前プールの水からの集団感染が多かったことに由来しますが、現在は適切な塩素管理が普及したため水を介した感染はほぼ見られず、主に飛沫・接触感染で広がります。

高熱・のどの腫れ・目の充血の「三徴候」が特徴で、目の症状(結膜炎)は最初に片方から始まり、数日で両目に広がることが多いです。症状は1週間前後で改善しますが、その間は感染力が非常に強いため、学校・保育園は症状消失後2日間の出席停止が必要です。

特効薬はなく、解熱剤・整腸剤など対症療法が中心です。目やにが多い・充血が強い場合は眼科的ケアが必要なこともあります。

溶連菌感染症(A群溶血性連鎖球菌感染症)

溶連菌感染症は、ウイルスではなく「細菌」が原因の感染症です。「突然の高熱と激しいのどの痛み」が特徴で、咳・鼻水が少ないのがウイルス性のかぜと区別するポイントです。扁桃が真っ赤に腫れ、白い膿(膿栓)がつくことも多く見られます。

春〜夏と冬にピークがあり、子どもだけでなく大人も発症します。特効薬として抗生物質(主にペニシリン系)が非常に有効ですが、10日間の服用完遂が重要です。途中でやめると菌が残り、急性糸球体腎炎(腎臓の炎症)・リウマチ熱(心臓弁膜症)などの重い合併症を引き起こすリスクがあります。

当院では溶連菌迅速検査(のどの綿棒検査、5〜10分で結果)を行っています。「発熱+のどの激痛」の場合は早めに受診してください。

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナはエンテロウイルス(コクサッキーA群)による夏の代表的な感染症で、乳幼児に多いですが大人も感染します。口の中(口蓋垂・扁桃周辺)に水疱・潰瘍ができ、強いのどの痛みと高熱が特徴です。

のどの痛みが強く食べ物・飲み物を飲み込みにくくなるため、特に子どもでは脱水に注意が必要です。通常は1週間以内に改善しますが、熱が下がった後も便の中に2〜4週間ウイルスが排出され続けるため、オムツ替えや便処理後の手洗いが重要です。

エンテロウイルスにはアルコール消毒の効果が低く、石けんと水での手洗いが最も有効です。

新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は現在も流行が続いています。夏の感染は冬ほど目立たないイメージがありますが、エアコンで窓を閉め切った密閉空間が増える夏も感染者は継続して発生します。

症状はのどの痛み・発熱・咳・倦怠感・鼻水などで、他の夏風邪との症状の区別が難しいケースも多いです。高齢者・基礎疾患のある方・免疫抑制状態の方は重症化リスクがあるため、陽性が確認された場合は速やかに受診してください。当院では抗原検査を実施しています。

インコロ(インフルエンザ+コロナ混合感染)

「インコロ」とは、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスに同時感染した状態を指す俗称です。どちらも飛沫・エアロゾル感染で広がるため、感染拡大期の密閉空間では同時感染が起こり得ます。

単独感染よりも症状が重くなりやすく、38〜40℃の高熱・強い倦怠感・関節痛・のどの痛み・咳が重複して現れます。見た目の症状だけでは両者の区別がつかないため、当院では必要に応じてインフルエンザ・コロナ両方の迅速検査を実施します。混合感染が確認された場合は、それぞれの治療薬を状態に応じてご提案します。

夏の発熱で注意|感染症と熱中症の見分け方

夏の「体が熱い・だるい」という症状は、感染症だけでなく熱中症の可能性もあります。対処法が根本的に異なるため、区別が重要です。

項目

感染症(夏風邪・コロナなど)

熱中症

発症の状況

人混み・密閉空間への滞在後、数日後に発症

炎天下・高温多湿環境での作業・運動中〜直後に急激に発症

のどの痛み・鼻水

あり(多い)

なし(少ない)

発汗

通常通り

大量発汗または発汗なし(重症時)

意識障害・けいれん

まれ(重症化時のみ)

重症例で見られる。即救急対応が必要

冷やした際の反応

冷却で体温低下しても症状は続く

冷却・水分補給で改善することが多い

対応

内科受診・検査・治療

涼しい場所へ移動・水分補給・冷却。重症は救急

⚠ 両方が同時に起きているケース(感染症+熱中症)もあります。「屋外活動後に急に高熱が出てのどが痛い」「水が飲めない・意識がもうろうとしている」場合は迷わず受診・救急対応を。

こんな症状は早めに受診してください

以下に当てはまる場合は、自己判断で様子を見ず、早めに内科を受診してください。

  • 38.5℃以上の高熱が続いている

  • 3日以上熱が下がらない

  • のどの痛みが非常に強く、食事・水分が取れない

  • 目が充血している・目やにが多い(プール熱の疑い)

  • 目・のど・高熱の三つが同時に出ている

  • 呼吸が苦しい・胸が痛い

  • 強い頭痛・首の硬直がある

  • 意識がもうろうとしている・ぐったりしている

  • 高齢者・妊娠中・糖尿病など基礎疾患のある方で発熱がある

  • 子どもでのどの痛みが強く飲み物も飲めない(脱水の危険)

  • 市販薬を飲んでも改善しない・悪化している

発熱時の自宅での対応(受診前・軽症時)

対応

ポイント

水分補給を積極的に

発熱・発汗で脱水になりやすい。水・スポーツドリンク・経口補水液をこまめに飲む。のどが痛くて飲みにくい場合はゼリー飲料も有効

安静・十分な睡眠

免疫機能の回復には睡眠が最も重要。無理に動かない

解熱剤の使用

市販の解熱剤(アセトアミノフェン系)は使用可能。ただし熱を完全に下げることが治癒を早めるわけではない。高熱でつらい時・睡眠が取れない時に使用する

部屋の換気

エアコン使用中でも1〜2時間に1回、窓を開けて5〜10分換気する。感染者がいる場合は特に重要

家族への感染防止

マスク着用・タオル共用禁止・こまめな手洗い。食器・コップは個人用にする。同じ部屋での就寝は避ける

市販薬の注意点

夏風邪の原因(エンテロウイルス等)には抗生物質は効かない。市販の総合感冒薬で症状を緩和するのは可能だが、溶連菌・コロナ・インフルは処方薬が必要

夏の感染症を防ぐための予防法

エアコン使用時の工夫

  • 1〜2時間に1回、窓を開けて換気する(5〜10分)

  • エアコンの設定温度は26〜28℃を目安に(室内外の温度差を5℃以内に)

  • 冷風が直接体に当たらないよう風向きを調整する

  • エアコンのフィルターを定期的に清掃する(カビ・ホコリの拡散防止)

手洗い・衛生管理

  • 帰宅後・食事前・トイレ後は必ず石けんと流水で20〜30秒以上手洗い

  • エンテロウイルスはアルコール消毒が効きにくいため、石けん手洗いが優先

  • 目・鼻・口を不必要に触らない

  • タオル・コップ・食器の共用を避ける

体調管理・免疫維持

  • 夏バテ予防:こまめな水分補給・塩分補給・十分な睡眠

  • 激しい室内外の温度差を繰り返さない(自律神経・免疫力の乱れ防止)

  • プール・銭湯利用後は顔を洗う・目をこすらない

当院で受けられる検査・治療

検査・治療

対象・内容

インフルエンザ迅速検査

鼻腔ぬぐい液を採取し、15分程度でインフルエンザA型・B型を診断。発症後12〜48時間が検出精度が高い

新型コロナウイルス抗原検査

鼻腔または咽頭ぬぐい液で抗原を検出。15〜30分で結果。インフルとの同時検査も可能

インコロ同時検査

インフルエンザとコロナを1回の検査で同時に判定。混合感染の確認に有用

溶連菌迅速検査

のどの綿棒検査。5〜10分でA群溶連菌の有無を確認。「発熱+激しいのどの痛み・咳が少ない」場合に実施

血液検査

炎症反応(CRP)・白血球数・肝機能などを確認。「熱が長引いている」「重症感がある」場合に有用

治療薬の処方

インフルエンザ:抗インフルエンザ薬(オセルタミビル等)。溶連菌:抗生物質(10日間)。コロナ:重症化リスクに応じて抗ウイルス薬。発熱・のどの痛み:解熱剤・鎮痛薬・消炎薬など対症療法

専門医療機関への紹介

重篤な症状・入院が必要なケース・目の専門的治療(アデノウイルス性結膜炎)が必要な場合は適切な医療機関にご紹介します

受診の流れ

ステップ

内容

① 来院前のご連絡(推奨)

発熱のある方は、他の患者様への感染防止のためお電話またはLINEでご一報いただけると、スムーズにご案内できます。(来院前連絡がなくても受診可能です)

② WEB予約または直接来院

予約なしの当日受診も可能ですが、WEB予約の方を優先案内しています。

③ 受付・問診票記入

発症日・主な症状・体温・市販薬服用の有無・周囲の感染状況などをご記入ください。

④ 医師による診察

症状・経過をお聞きし、のどの視診・聴診を行います。必要な検査をご提案します。

⑤ 迅速検査

インフル・コロナ・溶連菌などの迅速検査(15〜30分)。症状・状況に応じて血液検査も実施します。

⑥ 診断・処方

検査結果をもとに診断し、症状に合った薬を処方します。感染症の場合は感染力の期間・出席停止・職場対応についてもご説明します。

⑦ お会計・帰宅

自宅でのケア方法・家族への感染予防・次回受診の目安をお伝えします。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 夏にインフルエンザにかかることはありますか?

はい、あります。インフルエンザはかつて冬に流行するイメージが強い感染症でしたが、近年は夏にも散発的・局所的に流行するケースが増えています。「夏なのに38℃以上の高熱・関節痛・倦怠感」がある場合はインフルエンザの可能性もあります。

Q.インコロ(インフルとコロナの混合感染)ってどういう状態ですか?

インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスに同時感染した状態です。症状が重複して現れるため、単独感染より体への負担が大きくなる傾向があります。当院では1回の検査で両方を同時に判定できる検査を行っています。

Q. のどが痛くて熱がある。抗生物質をもらえますか?

のどの痛み・発熱の原因がウイルス(コロナ・アデノウイルス・エンテロウイルス等)の場合、抗生物質は効果がありません。ただし、溶連菌感染症は細菌が原因のため抗生物質が非常に有効です。まず検査で原因を確認してから、適切な薬を処方します。

Q. 発熱していますが事前に予約は必要ですか?

予約なしでも受診可能です。ただしWEB予約の方を優先案内しております。発熱がある場合は他の患者様への感染防止のため、来院前にお電話またはLINEでご連絡いただけると、動線の調整がスムーズです。

Q. 市販の解熱剤を飲んでから受診してもいいですか?

問題ありません。服薬している薬の名前・服薬時間をお伝えいただければ、診察の参考にします。解熱剤を服用していても検査の結果には影響しません。

Q. プール熱(咽頭結膜熱)と診断されました。いつから仕事・学校に行けますか?

学校保健安全法では「主要症状が消退した後2日を経過するまで出席停止」とされています(学校・保育園等の場合)。社会人の場合は法的な規定はありませんが、感染力が強いため症状が消えた後も2日程度は休むことをお勧めします。

Q. 子どもがヘルパンギーナになりました。親もうつりますか?

大人も感染することがあります。特に免疫力が低下しているときは注意が必要です。子どものオムツ替え後・世話の後は石けんでしっかり手洗いしてください。アルコール消毒は効果が低いため、石けん手洗いが最も有効です。

Q. 熱中症と感染症の区別ができません。どうすればいいですか?

自己判断が難しい場合は、まず涼しい場所で安静にし水分を補給してみてください。冷却・水分補給で20〜30分以内に改善する場合は熱中症の可能性が高いです。改善しない・のどの痛みや目の充血がある・3日以上症状が続く場合は内科を受診してください。

診療時間・アクセス

項目

内容

クリニック名

十条駅ハル内科・皮フ科クリニック

診療時間

月・金・土 9:00〜21:00 / 火・水・木 9:00〜17:00 / 日 9:00〜19:00(休憩 13:30〜14:30)

休診日

なし(毎日診療)

所在地

〒114-0034 東京都北区上十条2-27-1 J&MALL 1階

アクセス

JR埼京線「十条駅」北口から徒歩1〜2分 / 国際興業バス「十条駅」バス停目の前

お問い合わせ

TEL: 03-6698-2509 / 公式LINE: https://lin.ee/AL0fp3z

※医療に関する情報は最新の状況と異なる場合があります。受診の際は事前にクリニックへお問い合わせください。

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