咳が続く(咳・痰)

「かぜが治ったのに咳だけが続いている」「夜になると咳がひどくなる」
「痰が絡んでスッキリしない」——
長引く咳の原因は、かぜ後の咳だけでなく喘息・咳喘息・COPD・後鼻漏・逆流性食道炎・肺炎・結核など多岐にわたります。
原因によって治療法がまったく異なるため、3週間以上続く咳は早めの受診をおすすめします。

長引く咳の原因を問診・聴診・血液検査・胸部X線で丁寧に精査

喘息・咳喘息・COPD・後鼻漏・逆流性食道炎など幅広く対応

解熱剤・抗生剤・点滴など症状に合わせた治療

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目次

長引く咳とは

かぜ後の咳・感染後咳嗽 - 1. かぜ後の咳・感染後咳嗽(かんせんごがいそう)

2. 気管支喘息

3. 咳喘息(がいぜんそく)

4. COPD(慢性閉塞性肺疾患)🚬

5. 後鼻漏症候群(副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎)

6. 逆流性食道炎(胃食道逆流症 GERD)🔥

7. 肺炎・マイコプラズマ肺炎🫁

8. 結核・非結核性抗酸菌症(NTM)

9. その他の原因(薬剤性・肺がん・間質性肺炎など)

当院での検査・治療

自宅でのケア

受診の流れ

よくある質問

診療時間・アクセス

⚠️ 咳とともに呼吸困難・唇が紫色・血痰が大量に出る・意識が遠のく場合はすぐに救急車(119番)を呼んでください

長引く咳とは

咳は、気道に入った異物・病原体・過剰な分泌物(痰)を体外に排出しようとする生体防御反応です。かぜなどの感染症を契機として起こる咳のほとんどは2〜3週間以内に自然に改善しますが、それ以上続く場合は背景に治療が必要な病気が隠れていることがあります。

 

咳の持続期間によって、原因として考えられる病気が変わります。

急性咳嗽

3週間未満

かぜ・インフルエンザ・コロナなどの感染症が主な原因。多くは自然回復。

遷延性咳嗽

3週間未満

感染後咳嗽・マイコプラズマ肺炎・百日咳など。受診で原因を確認することを推奨。

慢性咳嗽

8週間以上

咳喘息・喘息・後鼻漏・逆流性食道炎・COPDなど。必ず受診して原因を調べること。

特に注意が必要なのは、8週間(約2ヶ月)以上続く慢性咳嗽です。日本では慢性咳嗽の原因として、咳喘息・後鼻漏・逆流性食道炎の3つが最も多いとされており、これらは適切な治療で改善できる病気です。また、まれに肺がん・結核・肺線維症などの重大な疾患が隠れていることもあるため、放置は禁物です。

咳の特徴から原因を絞り込む

🌙

夜〜明け方に悪化する乾いた咳

気温差・冷気・横になると悪化する場合は喘息・咳喘息の可能性

→ 気管支喘息・咳喘息

🤧

のどに痰が落ちる感じ+咳

後鼻漏(鼻水がのどに流れ込む)による慢性的な咳。鼻症状を伴う

→ 後鼻漏・副鼻腔炎

🍽️

食後・就寝中・前かがみで悪化

胃酸が逆流してのどを刺激する。胸やけ・げっぷを伴うことも

→ 逆流性食道炎

🚬

喫煙歴あり+慢性的な痰・息切れ

中高年の喫煙者に多いCOPDの可能性。階段で息切れが増えた場合も

→ COPD

🤒

かぜ後2〜3週間経っても咳が続く

感染後咳嗽・マイコプラズマ肺炎・百日咳の可能性

→ 感染後咳嗽・肺炎

💊

降圧薬を飲み始めてから咳が出る

ACE阻害薬(レニベース・タナトリルなど)の副作用として乾いた咳が出ることがある

→ 薬剤性咳嗽

⚠️ 不安に感じたらいつでも医師にご相談ください

3週間以上咳が続いている

血痰(血が混じった痰)が出た

咳とともに体重が急激に減っている

夜間に寝汗がひどい・原因不明の発熱が続く

咳をするたびに息苦しくなる・呼吸がゼーゼーする

痰が黄色・緑色で量が多い状態が続く

咳で胸が痛い・深呼吸すると痛い

喫煙歴があり、最近咳や痰が増えてきた

長引く咳・痰の主な原因

1. かぜ後の咳・感染後咳嗽(かんせんごがいそう)🤧

💡かぜ・インフルエンザ・コロナなどの感染症が治った後も気道の炎症・過敏性が残り、咳が数週間続く状態。多くは自然回復するが、長引く場合は治療が必要。

感染後咳嗽とはどんな状態?

かぜ・インフルエンザ・新型コロナなどの急性気道感染症が回復した後も、気道(気管・気管支)の粘膜に炎症・過敏性が残り、咳が3週間以上続く状態を感染後咳嗽(ポストウイルス性咳嗽)と呼びます。特に新型コロナウイルス感染後の咳は「コロナ後遺症」のひとつとして知られており、数ヶ月続くケースもあります。

 

感染後咳嗽の特徴は、発熱など急性期の症状は治まっているにもかかわらず、刺激(冷たい空気・煙・会話・笑い)に対して咳が出やすい状態が続くこです。気道の粘膜が修復されるにつれて自然に改善することが多いですが、場合によっては咳喘息や気管支喘息へ移行することもあります。

主な症状

⚠️ 不安に感じたらいつでも医師にご相談ください

かぜの主要症状(熱・のど痛など)が治まった後も続く咳

乾いた咳が多い(痰はあまり出ない)

冷気・煙・会話・笑いで誘発される

夜間・早朝に悪化しやすい

咳をするたびに息苦しくなる・呼吸がゼーゼーする

3〜8週間続くことが多い

治療方法

感染後咳嗽の多くは時間とともに自然回復しますが、症状がつらい場合や日常生活・睡眠に支障が出ている場合は薬物療法が有効です。

 

鎮咳薬(コデインなど)・去痰薬・気管支拡張薬・吸入ステロイドなどが症状に合わせて使用されます。咳が8週間以上続く場合は、咳喘息や他の疾患への移行を疑って検査が必要です。

⚠️ 百日咳の可能性も忘れずに

成人にも多くなっている百日咳は、感染後に「コンコン」と続く激しい咳が3〜8週間以上持続するのが特徴です。夜間に特に強く、咳の後に「ヒュー」という音(笛声)が聞こえることも。抗生剤での治療が有効なため、長引く咳がある場合は百日咳の可能性も念頭に置いて受診することをお勧めします。

2. 気管支喘息

💡気道の慢性炎症によって気管支が狭くなり、ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴と息苦しさを繰り返す病気。吸入ステロイドによる治療で症状をコントロールできる。

秋(ダニ・カビ)

冬(感染・乾燥)

春(花粉)

通年

気管支喘息とはどんな病気?

気管支喘息は、気道に慢性的な炎症が起きることで気管支が過敏になり、さまざまな刺激(アレルゲン・運動・冷気・感染症・ストレスなど)に反応して気管支が収縮・浮腫を起こす病気です。日本では成人の約3〜5%が喘息を持つとされており、子どもだけの病気ではなく、成人発症・高齢発症の喘息も多く存在します。

 

喘息の本質は「気道の慢性炎症」であるため、症状がないときも炎症は続いています。そのため、症状が落ち着いているときも吸入ステロイド薬による継続的な治療が非常に重要です。適切に管理すれば、多くの患者さんが症状のない生活を送ることができます。

主な症状

⚠️ 不安に感じたらいつでも医師にご相談ください

ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴(音がする呼吸)

発作的な息苦しさ・呼吸困難

夜間〜早朝に悪化する咳・喘鳴

運動後・冷たい空気で誘発される

季節の変わり目・気温差で悪化

アレルゲン(花粉・ダニ・ペット)で悪化

アトピー・アレルギー性鼻炎を併発していることが多い

検査・治療方法

喘息の診断は、典型的な症状・経過の問診・聴診(喘鳴の確認)・肺機能検査(スパイロメトリー)・気道可逆性試験・好酸球数・FeNO(呼気中一酸化窒素)測定などで行います。当院では問診・聴診・血液検査を行い、肺機能検査など専門的な検査が必要な場合は呼吸器専門病院へのご紹介も行います。

 

喘息の治療の中心は吸入ステロイド薬(ICS)の長期管理療法です。症状がないときも毎日吸入することで気道の炎症を抑え、発作を予防します。発作時には気管支拡張薬(SABA)の吸入で速やかに気管支を広げます。重症例では経口ステロイドや生物学的製剤(抗体薬)が使われることもあります。

⚠️ 喘息発作は生命に関わることがあります

喘息発作が重症化すると呼吸困難で死亡することがあります(喘息死)。「以前よりも発作が多い」「吸入薬を使っても症状が改善しない」「夜中に何度も目が覚める」という場合は、治療の見直しが必要なサインです。早めに受診してください。

3. 咳喘息(がいぜんそく)

💡慢性咳嗽(8週間以上続く咳)の原因として最も多い疾患。喘鳴や息切れはなく、乾いた咳だけが長期間続くのが特徴。適切な治療で改善できます。

咳喘息とはどんな病気?

咳喘息は、気管支喘息と同様に気道の慢性炎症・過敏性が背景にありながら、喘鳴(ゼーゼー)や息切れは起こらず、乾いた咳だけが長期間続く病気です。日本における慢性咳嗽(8週間以上続く咳)の原因として最も多い疾患のひとつとされています。

 

「かぜが治ったのに咳だけが1〜2ヶ月続いている」「夜中に咳で目が覚める」「冷たい空気・タバコの煙・笑いで咳が誘発される」という方に多く見られます。放置すると約30%の方が気管支喘息へと移行するため、早期発見・早期治療が重要です。

主な症状

⚠️ 気になったらいつでも医師にご相談ください

乾いた咳(コンコン・ゴホゴホ)が8週間以上続く

夜間〜早朝に特に悪化する

冷たい空気・タバコの煙・会話・笑いで誘発される

季節の変わり目・気温差で悪化

かぜやストレスがきっかけになることが多い

コロナ後遺症(倦怠感・ブレインフォグなど)

気管支喘息・感染後咳嗽との違い

特徴

咳喘息

気管支喘息

感染後咳嗽

咳の性質

乾いた咳が主

咳+喘鳴+息苦しさ

乾いた咳

喘鳴(ゼーゼー)

なし

あり

なし

持続期間

8週間以上

慢性・反復性

通常3〜8週間

発症のきっかけ

感染・季節変化・ストレス

アレルゲン・感染・運動

感染症(かぜなど)

自然回復

しにくい(治療が必要)

治療なしでは悪化

多くは自然回復

治療方法

咳喘息の治療には吸入ステロイド薬(ICS)と気管支拡張薬(LABA)の吸入薬が有効です。内服の気管支拡張薬(テオフィリン)や抗ロイコトリエン薬(シングレア・キプレス)も使用されます。通常2〜4週間の治療で咳が改善することが多いですが、再発防止のために数ヶ月の継続治療が推奨されます。市販の咳止め(鎮咳薬)は咳喘息にはあまり効果がなく、原因に対した治療が重要です。

💡 「かぜが治っても咳だけ続く」は咳喘息かもしれません

かぜが治った後も乾いた咳が数週間〜数ヶ月続いている方の中には、咳喘息が診断されていないまま「ただの咳」として市販薬で対処し続けているケースが多くあります。吸入薬による適切な治療で劇的に改善するケースが多いため、長引く咳は早めに受診してください。

4. COPD(慢性閉塞性肺疾患)🚬

💡主に喫煙が原因で肺が慢性的に傷み、息切れ・慢性的な痰・咳が続く病気。日本では推計500万人以上が罹患しているが、未診断のまま過ごしている人が多い。

COPDとはどんな病気?

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、長期にわたる喫煙(または受動喫煙・粉塵・有害ガスへの曝露)によって気管支・肺胞が慢性的に傷み、気流の閉塞が生じる進行性の病気です。

 

かつては「肺気腫」「慢性気管支炎」と呼ばれていた病気を合わせた概念です。日本では40歳以上の人口の約9%が罹患していると推計されますが、自覚症状が乏しいために未診断のまま過ごしている方が非常に多いのが現状です。

 

COPDの最大の問題は一度傷んだ肺は元に戻らないことです。しかし、早期に発見して禁煙・治療を始めることで進行を大幅に遅らせることができます。喫煙歴のある中高年の方で咳・痰・息切れが続いている場合は、ぜひ一度受診して肺機能を調べることをお勧めします。

主な症状

⚠️ こんな場合は早めに受診してください

毎朝起きたときに出る慢性的な痰・咳

労作時の息切れ(坂道・階段で以前より息が切れる)

白色〜灰色の痰が毎日続く

風邪をひくたびに症状が大きく悪化する(急性増悪)

体重が徐々に減少する

初期はほとんど自覚症状がない

喫煙歴が10〜20年以上あることが多い

進行すると安静時でも息苦しい

早期発見のサイン「GOLD基準」

COPDの早期に気づくためのチェックポイントとして、以下の「ABCDEチェック」が知られています。当てはまる項目が多ければ多いほど、COPDの可能性が高まります。

項目

内容

A(Age)

40歳以上である

B(Background)

喫煙歴がある、または現在喫煙している

C(Cough)

慢性的な咳・痰がある

D(Dyspnea)

労作時に息切れを感じる(以前より坂道・階段がつらい)

E(Exercise)

体を動かすことを避けるようになった

治療方法

COPDの治療で最も重要かつ効果的なのは禁煙です。禁煙することで肺機能の低下スピードを大幅に遅らせることができます。

 

薬物療法としては、気管支拡張薬(抗コリン薬・β₂刺激薬)の吸入が中心で、重症例ではそれらの合剤・吸入ステロイドが使われます。肺機能検査(スパイロメトリー)による診断・評価が必須で、当院での検査後に呼吸器専門病院へのご紹介も行います。

⚠️ 「年のせいで息が切れる」は要注意です

「最近坂道や階段がつらくなった」「以前は平気だった運動ができなくなった」という変化を「年齢のせい」と片付けていませんか?喫煙歴がある方のこのような症状は、COPDが進行しているサインである可能性があります。早めに受診して肺機能を確認することをお勧めします。

5. 後鼻漏症候群(副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎)

💡水・鼻汁がのどに流れ込む(後鼻漏)ことで引き起こされる咳。慢性咳嗽の原因として咳喘息と並んで最多クラス。鼻の治療が咳の改善につながる。

後鼻漏とはどんな状態?

後鼻漏(こうびろう)とは、副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎・慢性鼻炎などによって増えた鼻汁が、鼻の奥からのどの後ろへ流れ込む状態です。のどに流れ込んだ鼻汁が気道を刺激することで、慢性的な咳・痰・のどの違和感を引き起こします。

 

後鼻漏による咳の特徴は、朝起きたときや横になった際に特に咳が出やすいことです。就寝中に鼻汁がのどに流れ込みやすいため、夜間〜早朝の咳が多くなります。「いつものどに痰が張り付いている」「のどをクリアしようとして咳払いが止まらない」というのも後鼻漏の典型的な訴えです。

主な症状

⚠️ こんな場合は早めに受診してください

のどに痰・鼻水が落ちてくる感覚

慢性的な咳払い・ゴホゴホとした咳

朝起きたときに痰が絡む

のどの違和感・不快感が続く

鼻症状(鼻づまり・鼻水)を伴うことが多い

副鼻腔炎では黄色い鼻水・顔面の圧迫感もある

治療方法

後鼻漏による咳は、咳そのものではなく鼻の治療をすることで改善します。副鼻腔炎が原因であれば抗生剤・去痰薬・点鼻ステロイドを使い、アレルギー性鼻炎が原因であれば抗ヒスタミン薬・ステロイド点鼻薬を使います。

 

市販の咳止め薬では改善しないことが多いため、「咳が続いている」と思っている方の中に、実は鼻の治療が必要な後鼻漏のケースが少なくありません。

💡 「咳止め薬が効かない咳」は後鼻漏かもしれません

市販の咳止め薬を飲んでも改善しない慢性的な咳・咳払いの中には、後鼻漏が原因のケースが非常に多くあります。この場合は咳止めではなく鼻炎・副鼻腔炎の治療が正解です。鼻症状も一緒にある方はぜひご相談ください。

6. 逆流性食道炎(胃食道逆流症 GERD)🔥

💡胃酸がのど・気道まで逆流して慢性的な咳を引き起こす。胸やけを伴わないことも多く、気づかれにくい。食後・就寝中に悪化する咳が特徴。

逆流性食道炎による咳のしくみ

逆流性食道炎(GERD)は、胃酸が食道・のど・気道まで逆流して慢性的な炎症・刺激を引き起こす病気です。のどや気道に胃酸が触れることで、慢性的な咳・のどの違和感・声のかすれが起こります。

 

GERD由来の咳の最大の特徴は、典型的な「胸やけ」の症状がなくても咳が起こることです。胃酸の微量な逆流でも気道の咳受容体が刺激されるため、「胸は全然痛くないのに咳だけ出る」という患者さんが少なくありません。

 

肥満・妊娠・食生活(過食・脂っこい食事・就寝直前の食事・アルコール)・加齢・薬の副作用なども誘因になります。

主な症状

⚠️ こんな場合は早めに受診してください

食後・就寝中・前かがみの姿勢で悪化する咳

乾いた咳・のどのイガイガ感

声のかすれ・のどの違和感

胸やけ・げっぷ・酸っぱいものが上がる感覚(あることもないこともある)

横になると悪化する・枕を高くすると楽になる

喘鳴・呼吸困難はない

検査・治療方法

GERDによる咳の治療はプロトンポンプ阻害薬(PPI:オメプラール・ネキシウムなど)または P-CABによる胃酸分泌抑制が基本です。2〜4週間の内服で咳が改善するかどうかを確認します(診断的治療)。

 

あわせて、食後すぐに横にならない・就寝前2〜3時間は食事しない・脂っこい食事・アルコール・チョコレート・コーヒーを控えるなどの生活習慣の改善も重要です。

💡 「食後に咳が増える」はGERDのサインかもしれません

食事の後に咳が増える・横になると咳が悪化する・夜間に咳で目が覚めるという場合は、逆流性食道炎による咳の可能性があります。胃薬による治療で咳が改善するケースが多く、診断的治療として処方することもあります。

7. 肺炎・マイコプラズマ肺炎🫁

💡「歩ける肺炎」とも呼ばれるマイコプラズマ肺炎は、若い世代に多く、高熱より頑固な乾いた咳が特徴。放置すると重症化することもある。

肺炎と咳の関係

肺炎は肺の実質(肺胞)に炎症が起きる感染症で、発熱・咳・痰・呼吸困難が主な症状です。

 

しかし、マイコプラズマ肺炎(マイコプラズマ・ニューモニエによる肺炎)は他の肺炎と異なり、高熱よりも頑固な乾いた咳が2〜3週間以上続くのが特徴で、「普通に生活できるほど元気なのに咳だけがひどい」という経過をたどることから「歩ける肺炎(ウォーキング・ニューモニア)」とも呼ばれます。

 

主に小児〜若い成人に多く見られますが、近年は成人・高齢者にも増えています。

マイコプラズマ肺炎の主な症状

⚠️ こんな場合は早めに受診してください

2〜3週間以上続く頑固な乾いた咳

発熱(38℃程度、高熱は少ない)

全身倦怠感・頭痛・筋肉痛

のどの痛み

痰は少ない・出にくい(乾いた咳が主)

症状の割に比較的元気に動ける

放置すると重症肺炎に進行することがある

検査・治療方法

マイコプラズマ肺炎の診断には、血液検査(炎症反応・マイコプラズマ抗体価)・胸部X線・場合によっては迅速検査が用いられます。

 

治療はマクロライド系抗生剤(クラリスロマイシン・アジスロマイシン)またはニューキノロン系抗生剤が有効です。マクロライド耐性菌が増加しているため、治療反応が悪い場合はニューキノロン系への変更が必要なことがあります。

⚠️ 「3週間以上咳が続いている」は肺炎の可能性があります

かぜだと思って様子を見ていた咳が実はマイコプラズマ肺炎だったというケースは珍しくありません。3週間以上咳が続いている場合は、胸部X線・血液検査で肺炎の確認をすることをお勧めします。

8. 結核・非結核性抗酸菌症(NTM)

💡「過去の病気」ではなく現在も毎年1万人以上が感染する結核。長引く咳・血痰・体重減少・寝汗が続く場合は必ず除外すべき疾患です。

結核は今も油断できない感染症です

結核は結核菌による感染症で、空気感染(飛沫核感染)によって広がります。日本では毎年1万人以上の新規患者が報告されており、「先進国の中では多い国」とされています。高齢者・免疫が低下した方(糖尿病・HIV感染・免疫抑制薬使用中など)・過去に結核に感染したことがある方が発症しやすいですが、若い人にも感染します。

 

結核の怖いところは感染性があるため周囲の人にうつしてしまう可能性があること、そして症状が慢性的で緩やかなため気づくのが遅れやすいことです。

 

長引く咳・血痰・原因不明の発熱・体重減少・寝汗という症状の組み合わせがあれば、結核を必ず念頭に置いた検査が必要です。

主な症状

⚠️ こんな場合は早めに受診してください

2〜3週間以上続く咳・痰

血痰(血が混じった痰)

原因不明の微熱・発熱(午後〜夕方に出やすい)

寝汗(夜間の大量発汗)

体重減少・食欲不振

倦怠感・疲れやすさ

放置すると重症肺炎に進行することがある

非結核性抗酸菌症(NTM)について

非結核性抗酸菌症(NTM)は、結核菌ではない抗酸菌(マック菌・カンサシ菌など)による感染症で、近年日本で急増しています。

 

中高年の女性に多く、慢性的な咳・痰・血痰・倦怠感が続きます。結核とは異なり人から人へは感染しませんが、治療が長期にわたる難治性の感染症です。

検査・治療方法

結核の診断には、胸部X線・喀痰検査(結核菌の塗抹・培養・PCR検査)・ツベルクリン反応・QFT(クオンティフェロン)検査などが用いられます。

 

当院で結核が疑われた場合は、速やかに保健所・感染症指定医療機関への連絡・紹介を行います。結核の治療は複数の抗結核薬を6ヶ月以上服用する必要があります。

⚠️ 「長引く咳+体重減少+寝汗」は結核の要注意サインです

2〜3週間以上咳が続き、体重が減ってきた・夜中に汗びっしょりで目が覚める・微熱が続くという症状の組み合わせがある方は、かぜや咳喘息として対処するのではなく、胸部X線・喀痰検査で結核を除外することが重要です。早めにご受診ください。

9. その他の原因(薬剤性・肺がん・間質性肺炎など)

💡長引く咳の原因としてまれだが見逃せない疾患群。特に喫煙歴・体重減少・血痰がある場合は専門的な精査が必要。

原因

特徴・症状

薬剤性咳嗽
(ACE阻害薬など)

高血圧治療薬のACE阻害薬(レニベース・タナトリル・コバシルなど)の副作用として、乾いた咳が起こることがある。服薬開始後数週間〜数ヶ月で発症し、薬を中止すると通常1〜4週間で改善する。

肺がん

長引く咳・血痰・息切れ・体重減少・声のかすれが続く場合は肺がんの可能性を除外する必要がある。特に喫煙歴のある40歳以上の方は定期的な胸部X線・CTでのチェックが重要。

間質性肺炎・肺線維症

肺の間質(肺胞の壁)に炎症・線維化が起きる病気。乾いた咳・労作時の息切れ・チアノーゼが特徴。特発性のものから膠原病・薬剤・職業性曝露が原因のものまで多様。

心不全による咳

心臓のポンプ機能が低下して肺に水がたまる(肺うっ血)と、湿った咳・息苦しさが起こる。夜間・臥位で悪化するのが特徴。むくみ・息切れを伴うことが多い。

アレルギー性気管支炎・
好酸球性肺炎

特定のアレルゲン(カビ・ペット・職業環境)への曝露で起こる慢性咳嗽。職場や特定の環境で咳が悪化し、離れると改善するパターンがある。

⚠️ 血痰が出た場合は必ず受診してください

血が混じった痰(血痰)は、肺がん・結核・気管支拡張症・肺炎・心不全など重篤な疾患のサインであることがあります。量が少なくても自己判断せず、早急に受診して胸部X線・血液検査などの精査を受けてください。

当院での検査・治療

長引く咳・痰の原因を特定するために、問診・聴診をもとに以下の検査を組み合わせて行います。「咳が続いているだけ」という症状でも、原因によって治療法がまったく異なるため、しっかりした診断が重要です。

検査・処置

目的・わかること

問診・咳の性状評価

高血圧治療薬のACE阻害薬(レニベース・タナトリル・コバシルなど)の副作用として、乾いた咳が起こることがある。服薬開始後数週間〜数ヶ月で発症し、薬を中止すると通常1〜4週間で改善する。

聴診

喘鳴(ゼーゼー)・捻髪音(パチパチ)・水泡音など、肺の音から喘息・肺炎・心不全などを評価

胸部X線(レントゲン)

肺炎・肺がん・結核・間質性肺炎・心不全(心拡大・肺うっ血)などの有無を確認

血液検査

炎症反応(CRP・白血球)・好酸球(喘息・アレルギーの指標)・マイコプラズマ抗体・甲状腺機能などを確認

SpO₂(血中酸素濃度)測定

肺・気道の機能低下の程度を確認。COPDや重症肺炎の評価に有用

インフルエンザ・コロナ迅速検査

感染症が契機となった咳の場合、原因ウイルスを特定

診断的治療

咳喘息・GERDが疑われる場合、吸入薬・胃薬を試験的に投与し改善すれば診断が確定する

⚠️ 専門検査・専門病院が必要なケースについて

肺機能検査(スパイロメトリー)・CT・気管支鏡・QFT検査など、当院では実施できない専門的検査が必要と判断した場合は、呼吸器内科を有する専門病院への紹介状を作成します。「どこに行けばいいかわからない」という方もまず当院にご相談ください。

自宅でのケア

加湿・保温でのどと気道を守る

乾燥した空気は気道の粘膜を乾燥・刺激し、咳を悪化させます。特に冬場は室内の湿度を50〜60%に保つことが重要です。外出時にはマスクを着用することで、冷気・乾燥・ウイルスから気道を守ることができます。温かい飲み物(白湯・はちみつレモン・生姜湯など)をこまめに飲むことでのどの粘膜を湿潤に保つ効果があります。

禁煙が最も重要な自己管理

タバコの煙は気道粘膜を直接傷め、咳・痰を悪化させます。喫煙者の方で咳が続いている場合、禁煙は最も効果的な「治療」です。

 

禁煙外来での治療(禁煙補助薬・ニコチンパッチ・チャンピックス)を利用することで、禁煙成功率が大幅に上がります。副流煙(受動喫煙)も咳の原因になるため、環境の改善も重要です。

咳で注意が必要な生活習慣

逆流性食道炎による咳がある方は、食後すぐに横にならない・就寝前2〜3時間は食事を避ける・食べすぎ・アルコール・脂っこい食事・チョコレート・コーヒーを控えることが症状の改善につながります。肥満は胃食道逆流を悪化させるため、適切な体重管理も有効です。

 

喘息・咳喘息の方は、掃除・換気・ダニ対策・ペットの管理などでアレルゲンへの曝露を減らすことが発作予防に有効です。

⚠️ 市販の咳止めで改善しない咳は原因が別にあります

市販の鎮咳薬(咳止め)は症状を一時的に抑える効果はありますが、原因を治療するものではありません。咳喘息・後鼻漏・逆流性食道炎・結核・COPDなどが原因の咳は市販薬ではほとんど改善しません。3週間以上咳が続いている方は自己判断せず、受診して原因を調べることをお勧めします。

受診の流れ

ステップ①

WEB予約、または直接来院

「咳が続いているだけ」という症状でも受診いただけます。いつから・どんな咳か・何をすると悪化するかをメモしてお持ちいただくと、診察がスムーズになります。

ステップ②

受付・問診票の記入

咳の持続期間・痰の有無と性状・悪化するタイミング(夜間・食後・運動後など)・喫煙歴・服用中の薬・アレルギーの有無などをご記入ください。

ステップ③

医師による診察

咳の特徴を詳しくお聞きした上で、聴診・SpO₂測定・鼻・のどの視診などを行います。咳の性状・悪化のパターンから原因の見当をつけ、必要な検査をご提案します。

ステップ④

胸部X線・血液検査など

肺炎・結核・肺がん・心不全などを除外するために胸部X線を行います。炎症反応・アレルギー・マイコプラズマ抗体などの血液検査も症状に合わせて実施します。

ステップ⑤

診断・治療・処方

原因に応じて、吸入薬(ステロイド・気管支拡張薬)・抗生剤・抗アレルギー薬・胃薬・鎮咳薬・去痰薬などを処方します。診断的治療(試験的投薬)を行うこともあります。

ステップ⑤

お会計・帰宅・経過観察

薬の飲み方・吸入薬の使い方・生活上の注意点をご説明します。専門病院での精査が必要な場合は紹介状を作成します。改善が見られない場合は2〜4週間後の再診をお勧めします。

よくある質問

かぜが治ってから3週間経つのに咳だけが続いています。

かぜの後に咳だけが長引く状態を「感染後咳嗽」または「咳喘息」と呼ぶことがあります。かぜの炎症が気道の過敏性を高め、咳が数週間〜数ヶ月続くことがあります。3週間以上続いている場合は受診して原因を調べることをお勧めします。市販の咳止めではなく、吸入薬などによる適切な治療で改善することが多いです。

夜中に咳で目が覚めます。何が原因ですか?

夜間〜早朝に悪化する咳の主な原因は、気管支喘息・咳喘息(夜間の気温低下・副交感神経優位による気道収縮)・後鼻漏(横になると鼻水がのどに流れ込む)・逆流性食道炎(就寝中の胃酸逆流)などが挙げられます。原因によって治療が異なりますので、ぜひ受診して確認してください。

痰に血が混じっていました。すぐに受診すべきですか?

はい、すぐに受診してください。血痰の原因は気管支炎・肺炎・結核・肺がん・気管支拡張症・心不全など多岐にわたります。量が少なくても放置せず、胸部X線・血液検査などの精査を受けることが重要です。

タバコを吸っているのですが、咳・痰が増えてきました。

喫煙者で咳・痰が増えてきた場合、慢性気管支炎やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の可能性があります。COPDは早期発見・早期禁煙で進行を抑えられる病気です。まず胸部X線・血液検査を行い、必要であれば肺機能検査(スパイロメトリー)のできる専門病院へご紹介します。禁煙についてもご相談いただけます。

喘息と診断されたことがありますが、最近咳が増えてきました。

喘息のコントロールが不十分になっているサインである可能性があります。吸入薬を正しく使えているか・吸入薬の量や種類が症状に合っているかを見直す必要があるかもしれません。また、感染症・アレルゲン・季節の変化が誘因になっていることもあります。現在の薬の内容を持参の上、受診をお勧めします。

高血圧の薬を飲み始めてから咳が出るようになりました。

ACE阻害薬という種類の降圧薬(レニベース・タナトリル・コバシル・ロンゲス・プリビニルなど)は、乾いた咳が副作用として起こることが知られています。日本人は欧米人に比べてこの副作用が出やすいとされています。薬を変更すると咳が改善することが多いため、処方した医師または内科にご相談ください。

子どもの咳が続いていますが、内科でも診てもらえますか?

当院は主に15歳以上の方を対象とした内科クリニックです。お子さんの咳が続いている場合は、かかりつけの小児科または耳鼻科への受診をおすすめします。中学生以上で特に困っている場合はご相談ください。

内科と呼吸器科・耳鼻科のどこに受診すればいいですか?

「どこに行けばいいかわからない」という場合は、まず内科にご相談いただくのがスムーズです。当院での問診・聴診・胸部X線・血液検査をもとに、呼吸器内科・耳鼻科・消化器科など適切な専門科へのご紹介状を作成します。「ただの咳」と思っていても重要な疾患が隠れていることがあります。

診療時間・アクセス

クリニック名

十条駅ハル内科・皮フ科クリニック

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診察時間

月曜日〜日曜日 9:00〜21:00

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休診日

なし(不定休)

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所在地

〒114-0034 東京都北区上十条2-27-1 J&MALL 1階

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電車・徒歩でお越しの方

JR埼京線 「十条駅」から徒歩2分、十条駅前 J&MALL(ジェイトモール)1階

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バスでお越しの方

国際興業バス 「十条駅」バス停のすぐ目の前

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お車でお越しの方

近隣のコインパーキングをご利用ください

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お問い合わせ

メール:info@halujujo.clinic

公式LINE:https://lin.ee/DRxcelo

電話番号:03-6698-2509

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