インフルエンザとは
インフルエンザはインフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症です。通常のかぜと比べて突然の高熱(38℃以上)・強い全身倦怠感・関節痛・筋肉痛が特徴で、感染力が非常に強く毎年冬季に流行します。
日本では年間1,000万人以上が感染するといわれ、発症48時間以内の抗ウイルス薬投与が症状の期間短縮・重症化予防に効果的です。
「ただの風邪」と思わずに
インフルエンザは合併症(肺炎・中耳炎・脳症)や持病の悪化を招くこともあり、高齢者・乳幼児・妊婦・基礎疾患のある方では特に注意が必要です。発熱・関節痛が出たら早めに受診してください。

インフルエンザの種類
| 型 | 特徴 |
|---|---|
| A型 | 最も多く、ヒト・鳥・豚など幅広く感染。毎年亜型が変化(H1N1・H3N2等)、大流行を起こす |
| B型 | ヒトのみに感染、2月以降流行、A型より腹痛・下痢など消化器症状が多い傾向 |
| C型 | 幼児に軽症、散発的 |
症状
典型的な症状(風邪との違い)
| 症状 | インフルエンザ | 風邪 |
|---|---|---|
| 発熱 | 38〜40℃以上の急な高熱 | 微熱〜38℃程度 |
| 発症 | 突然発症(数時間で悪化) | 徐々に悪化 |
| 全身倦怠感 | 強い | 軽度 |
| 関節痛・筋肉痛 | 強い | ほぼなし |
| 頭痛 | 強い | 軽度 |
| 鼻水・咳 | 遅れて出る | 初期から主症状 |
| のどの痛み | あり | 主症状 |
| 消化器症状 | B型で多い | 少ない |
| 持続期間 | 3〜7日 | 1〜2週間 |
合併症
- 肺炎(細菌二次感染・ウイルス性)
- 中耳炎(小児に多い)
- 気管支炎
- 副鼻腔炎
- 心筋炎・心膜炎
- 脳症(小児・高齢者で重篤)
- 持病の悪化(喘息・COPD・糖尿病・心不全等)
- 熱性けいれん(乳幼児)
迅速検査の最適タイミング
発症後12〜48時間以内が最も精度が高い
インフルエンザ迅速検査は、発症後12時間以降から48時間以内が最も精度が高いとされます。発症6時間以内はウイルス量が少なく偽陰性のことがあるため、症状が強いのに陰性の場合は翌日以降の再検査をお勧めします。
| 発症からの時間 | 検査精度 | 推奨 |
|---|---|---|
| 0〜12時間 | 低い(偽陰性多い) | 12時間後の再検査を推奨 |
| 12〜48時間 | 最も高い | 検査推奨タイミング |
| 48〜72時間 | やや低下 | まだ検査・治療可能 |
| 72時間以降 | 低下 | 検査は可能だが薬の効果は限定的 |
当院の検査オプション
- インフルエンザ迅速抗原検査(A型・B型):約15分で結果
- コロナ・インフル同時検査:1回の検査で両方判定
- 高感度な次世代検査機器にも対応(発症早期の検出率向上)
治療の選択肢
抗インフルエンザ薬
発症後48時間以内に開始することで、発熱期間を1〜2日短縮し、重症化や合併症のリスクを下げることができます。
| 薬剤 | 剤形・用法 | 特徴 |
|---|---|---|
| オセルタミビル(タミフル) | カプセル/ドライシロップ、1日2回×5日 | 最もよく使われる、小児〜成人 |
| ザナミビル(リレンザ) | 吸入、1日2回×5日 | 5歳以上、妊婦第一選択とされることも |
| ラニナミビル(イナビル) | 吸入、1回のみ | 1回で治療終了、10歳以上 |
| バロキサビル(ゾフルーザ) | 内服、1回のみ | 1回で治療終了、12歳以上(12歳未満は注意) |
| ペラミビル(ラピアクタ) | 点滴静注、1回のみ | 内服困難時、重症例 |
タミフル・リレンザ服用後の異常行動
10代での異常行動(飛び降り等)が報告され、発症後少なくとも2日間は小児・未成年者を1人にしないよう注意喚起されています。薬を服用していなくてもインフルエンザ自体が脳症状を引き起こすため、薬の有無にかかわらず監視が重要です。
対症療法
- アセトアミノフェン:解熱・痛み止め(妊婦・小児にも安全)
- 去痰薬:痰が絡む場合
- 鎮咳薬:激しい咳に
- 点滴(輸液):脱水が強い場合
アスピリン系はインフルエンザに使わない
15歳未満のインフルエンザ患者にアスピリン(バファリン)、ジクロフェナク、メフェナム酸などを使用するとライ症候群(急性脳症+肝障害)のリスクがあります。アセトアミノフェン(カロナール)を使用してください。
重症化のリスクが高い方
以下の方は重症化しやすいため、早期受診・早期治療が特に重要です。
- 65歳以上の高齢者
- 妊婦・産後2週間以内
- 2歳以下の乳幼児
- 慢性呼吸器疾患(喘息・COPD)
- 慢性心疾患・腎疾患・肝疾患
- 糖尿病・代謝性疾患
- 免疫抑制状態(ステロイド・抗がん剤・HIV)
- 神経・神経筋疾患
- BMI 30以上の肥満
インフルエンザワクチンについて
ワクチンは発症予防率30〜60%・重症化予防率70〜80%とされ、特に高齢者・基礎疾患のある方では重要です。
ワクチンの種類
| 種類 | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| 不活化ワクチン(注射) | 生後6か月〜全年齢 | 従来型、定期接種(高齢者)・任意(他) |
| 経鼻弱毒生ワクチン(フルミスト) | 2〜18歳 | 鼻にスプレー、痛みなし |
| 高用量ワクチン | 65歳以上 | 通常の4倍量、効果向上 |
接種のタイミング
- 毎年10月下旬〜11月がベストタイミング
- 効果発現まで約2週間
- 効果持続は約5か月間
- 12歳以下は2回接種(3〜4週間間隔)
感染予防・家庭内対策
日常的な予防
- 手洗い・うがい・アルコール消毒
- マスクの着用(特に流行期・人混み)
- 室内の加湿(湿度50〜60%)
- 十分な睡眠・栄養・運動
- 毎年のワクチン接種
家族が感染した場合
- 感染者は個室で療養、別室の使用
- タオル・食器の共用を避ける
- こまめな換気
- 家族全員のマスク着用
- 高リスク者がいる場合は予防投与を検討
学校・職場の出席停止期間
| 区分 | 学校保健安全法 |
|---|---|
| 幼児(幼稚園・保育園) | 発症後5日を経過、かつ解熱後3日を経過するまで |
| 小児・学生(学校) | 発症後5日を経過、かつ解熱後2日を経過するまで |
| 大人(職場) | 法的定めはないが、解熱後48時間を目安に |
こんな症状はすぐ受診を
以下の症状は緊急性が高い
重症化のサインです。夜間・休日でも救急受診を検討してください。
- 呼吸が苦しい・胸が痛い
- ぐったりして反応が鈍い・意識がもうろう
- けいれんを起こした
- 異常な言動・幻覚・急に走り出す(特に小児)
- 水分が取れない・尿が出ない
- 唇が紫色・冷や汗
- 高熱が3日以上続く
- 解熱後に再び高熱(二峰性発熱=肺炎の可能性)
当院のインフルエンザ診療の特徴
- 迅速抗原検査で約15分でA型・B型を判定
- コロナ・インフル同時検査にも対応
- 全種類の抗インフルエンザ薬(タミフル・イナビル・ゾフルーザ等)を処方
- 脱水時の点滴対応
- 重症化リスクが高い方は迅速に専門機関へ紹介
- インフルエンザワクチン接種(10〜12月)
- 家族内感染防止のアドバイス
- 予約なし・当日受診OK/毎日9〜21時診療/十条駅徒歩1分
発症48時間の壁を意識して
「朝から熱が出た」「関節が痛い」と思ったら、その日のうちに受診するのが理想です。症状が軽いうちに適切な薬を飲み始めることで、発熱期間を1〜2日短縮できます。





