痛風・高尿酸血症とは
高尿酸血症は、血液中の尿酸値が7.0 mg/dLを超える状態で、日本人男性の約20〜25%が該当するといわれるありふれた疾患です。放置すると痛風発作・腎障害・尿路結石を引き起こし、さらに心血管疾患・脳卒中のリスクも高めます。
痛風は高尿酸血症が長年続くことで関節内に尿酸結晶が沈着し、それが急激な炎症を起こす病気です。足の親指の付け根の突然の激痛が典型的で、「風が吹いても痛い」ほどの強い痛みから痛風と呼ばれています。
当院で発作時から慢性期管理まで対応
発作の急性期治療、その後の尿酸値コントロール、生活習慣指導まで一貫して対応可能です。他院で治療中の方の転医・継続処方も歓迎します。

痛風発作の典型的な症状
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 発症 | 突然、特に夜間〜明け方に発症 |
| 好発部位 | 足の親指の付け根(約70%)、次いで足首・膝・手首 |
| 痛みの性質 | 激痛(衣服・シーツが触れても痛い) |
| 炎症所見 | 赤み・腫れ・熱感・硬結 |
| 期間 | 治療なし:1〜2週間で自然軽快/治療あり:数日〜1週間 |
| 発症前の前兆 | ピリピリ感・違和感があることも |
| 全身症状 | 軽い発熱・倦怠感を伴うことあり |
| 単関節性 | 初回はほぼ単関節、再発で多関節化 |
高尿酸血症の分類
| タイプ | 特徴 | 生活指導のポイント |
|---|---|---|
| 尿酸排泄低下型(最多・約60%) | 腎臓からの排泄が減少 | 水分・アルコール制限 |
| 尿酸産生過剰型(約10%) | 体内で尿酸が多く作られる | プリン体制限 |
| 混合型(約30%) | 両方の機序 | 総合的な生活改善 |
痛風・高尿酸血症のリスク要因
- 男性・閉経後女性(男女比 約20:1)
- 肥満・メタボリックシンドローム
- アルコール(特にビール)
- プリン体の多い食品(レバー・干物・白子・肉のエキス)
- 果糖(清涼飲料水・お菓子)
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症の合併
- 脱水
- 激しい運動・断食・急激なダイエット(尿酸急上昇)
- 利尿薬・低用量アスピリン等の薬剤
- 遺伝的素因
痛風発作時の治療
発作の3大薬剤
| 薬剤 | 特徴・使い方 |
|---|---|
| NSAIDs(ロキソプロフェン・ナプロキセン等) | 第一選択、発作開始後できるだけ早く開始、腎・胃への注意 |
| コルヒチン | 発作予兆〜12時間以内が有効、少量を使用 |
| ステロイド(経口・関節内注射) | NSAIDsが使えない場合、重症時 |
発作中に尿酸降下薬を新しく開始しない
発作中に尿酸値を急激に下げると、関節内の尿酸結晶が不安定になり発作を悪化・長引かせることがあります。尿酸降下薬は発作が完全に治まってから開始するのが基本です。すでに服用中の方は中止せずそのまま継続します。
発作時の応急処置
- 患部を冷却(氷嚢をタオルで包んで)
- 患部を挙上(心臓より高く)
- 患部を動かさず安静に
- 水分を多く摂取
- アルコールは厳禁
- マッサージ・温める行為は炎症悪化
- 靴下・靴などで圧迫しない
慢性期の治療(尿酸値コントロール)
薬物治療の開始基準
以下の方は薬物治療の対象となります:
- 痛風発作歴あり
- 尿酸値が8.0 mg/dL以上+合併症(腎障害・尿路結石・心血管疾患)
- 尿酸値が9.0 mg/dL以上(無症候でも)
- 痛風結節がある
尿酸降下薬の種類
| 分類 | 代表薬 | 特徴 |
|---|---|---|
| 尿酸生成抑制薬 | アロプリノール(ザイロリック) | 古典的、1日1〜3回、安価、皮疹リスクあり |
| 尿酸生成抑制薬(新世代) | フェブキソスタット(フェブリク) | 1日1回、腎機能低下例にも使いやすい、強力 |
| 尿酸生成抑制薬(新世代) | トピロキソスタット(ウリアデック) | 1日2回、フェブリクと同等の作用 |
| 尿酸排泄促進薬 | ベンズブロマロン(ユリノーム) | 排泄低下型に、尿路結石注意 |
| 尿酸排泄促進薬 | ドチヌラド | 新規薬、肝障害が少ない |
治療目標
尿酸値 6.0 mg/dL未満 が目標
発作歴のある方・痛風結節がある方は6.0 mg/dL未満の達成と維持が目標です。目標達成には数か月かかることがありますが、継続で発作頻度が大幅に減少します。
再発予防の期間
- 尿酸値を下げ始めてから数か月は再発リスクが高い時期
- この時期はコルヒチン少量(0.5mg/日)を併用することが推奨
- 目標達成・安定後は継続服用で発作予防
- 自己判断で中止しない
食事・生活習慣の改善
プリン体の多い食品(控えめに)
- 内臓系(レバー・白子・あん肝)
- 干物(煮干し・かつお節)
- 魚卵・甲殻類のエキス
- 濃いスープ・鍋の煮汁
- 肉・魚の過剰摂取
アルコール対策
アルコール自体が尿酸を上げる
ビールはプリン体が多いですが、アルコール自体が肝臓での尿酸産生を増加させ、腎臓からの排泄を妨げます。焼酎・ウイスキーでも量が多ければ同じです。
- 目標:男性20g/日、女性10g/日以下(ビール中瓶1本 or 日本酒1合 or 焼酎0.5合 相当)
- 週2日以上の休肝日
- 発作中・発作直後は禁酒
水分補給
- 1日2L以上の水分摂取で尿量を確保
- 水・お茶が基本(糖分の多い飲料は避ける)
- 運動時・暑い日は特に意識
食事のポイント
- 野菜・乳製品・卵を積極的に(尿酸を上げにくい)
- 適度な肉・魚は可、過剰摂取は避ける
- 果糖(果物・清涼飲料水)を控えめに
- コーヒー(1日2〜3杯)は尿酸値を下げる効果あり
- ビタミンC摂取で尿酸値低下の報告
- 低カロリー・バランス食
運動
- 有酸素運動(ウォーキング・軽いジョギング・水泳)が推奨
- 激しい無酸素運動は尿酸急上昇のため注意
- 体重減少は尿酸値を下げる効果あり
合併症・関連疾患
高尿酸血症は単なる関節の問題ではなく全身疾患であり、他の疾患との関連が強いため注意が必要です。
| 合併症 | 内容 |
|---|---|
| 痛風腎 | 尿酸結晶が腎臓に沈着、腎機能低下 |
| 尿路結石 | 尿中尿酸が結晶化、腎仙痛発作 |
| 痛風結節 | 慢性化で耳・肘・指などに尿酸のこぶ |
| 高血圧 | 高尿酸血症と強い関連 |
| 動脈硬化・心血管疾患 | 心筋梗塞・脳卒中リスク上昇 |
| メタボリックシンドローム | 糖尿病・脂質異常症を合併 |
| 慢性腎臓病(CKD) | 進行を速める |
当院での診察・検査
発作時の対応
- 発症状況・既往歴の確認
- 視診・触診で関節の炎症確認
- 必要に応じて鑑別検査(感染性関節炎・偽痛風の除外)
- NSAIDs・コルヒチン・ステロイドの投与
- 冷却・安静指導
慢性期の検査
| 検査 | 目的 |
|---|---|
| 血液検査(尿酸値) | 血清尿酸値の測定、治療目標の判定 |
| 腎機能(Cr・eGFR) | 痛風腎・薬剤選択 |
| 肝機能 | 薬剤選択の参考 |
| 脂質・血糖 | 合併症の評価 |
| 尿検査 | 尿酸・蛋白・結晶の確認 |
| 尿中尿酸排泄量 | 病型分類の参考 |
| 腹部超音波 | 尿路結石の確認(必要時) |
こんな症状は一度ご相談を
- 健診で尿酸値が高いと言われた
- 足の親指付け根の突然の激痛
- 過去に痛風発作を経験した
- 肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常を併発している
- ビール・日本酒を毎日飲む習慣がある
- 尿路結石・血尿の既往
- 腎機能が低下している
- 家族に痛風・腎結石の方がいる
当院の痛風・高尿酸血症診療の特徴
- 発作時のNSAIDs・コルヒチン・ステロイド処方に即日対応
- 血液検査(尿酸値・腎機能等)が即日実施可能
- フェブキソスタット・ドチヌラドなど新世代尿酸降下薬に対応
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症の併存疾患をワンストップで管理
- 食事・アルコール・運動の生活指導
- 尿路結石・痛風腎の評価、必要に応じ泌尿器科・腎臓専門医へ紹介
- 予約なし・当日受診OK/毎日9〜21時診療/十条駅徒歩1分
発作後こそ治療を続けよう
痛みが引くと「治った」と思って受診を止めてしまう方が多いのですが、尿酸値が高いままだと確実に再発します。長期的な管理こそが痛風から本当に解放される道です。





