肌のかゆみ

「夜になると急にかゆくなる」「掻いても治まらない」「皮膚に異常がないのにかゆい」
かゆみの原因は乾燥・アトピー・じんましん・水虫・疥癬・アレルギーだけでなく、
肝疾患・腎疾患・糖尿病・甲状腺疾患など全身の病気が隠れていることもあります。
内科・皮フ科の両方を診る当院で、かゆみの原因を丁寧に調べます。

皮膚疾患から内科疾患まで、かゆみの原因を幅広く評価

アレルギー検査・血液検査・皮膚検査に当日対応

アレルギー検査(血液検査・パッチテスト)にも対応

予約なし・当日受診OK | 毎日9〜21時診療

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目次

かゆみとはどんな症状か

肌のかゆみの主な原因 - 1. 乾燥肌(皮脂欠乏性湿疹・老人性皮膚掻痒症)

2. アトピー性皮膚炎

3. じんましん(蕁麻疹)

4. 接触性皮膚炎(かぶれ)

5. 水虫(足白癬)・体部白癬

6. 疥癬(かいせん)

7. 全身疾患に伴うかゆみ(肝・腎・糖尿病・甲状腺・血液疾患)

8. その他の原因(薬剤性・虫刺され・帯状疱疹など)

当院での検査・治療

かゆみを和らげる自宅でのケア

受診の流れ

よくある質問

診療時間・アクセス

⚠️ かゆみとともに顔・唇・喉の腫れ・息苦しさ・意識低下がある場合はアナフィラキシーの可能性があります。すぐに119番を呼んでください。

かゆみとはどんな症状か

かゆみ(瘙痒)とは、「掻きたいという衝動を引き起こす不快な皮膚感覚」と定義されます。皮膚の神経末端にある受容体がヒスタミン・IL-31・サブスタンスPなどの化学物質によって刺激されると、脳に「かゆい」という信号が伝わります。

 

かゆくて掻く→皮膚が傷つく→さらに炎症が起きてかゆみが増す、という「かゆみ・掻破サイクル」が症状を慢性化させます。

 

かゆみの原因は非常に幅広く、皮膚そのものの問題(乾燥・湿疹・感染症)だけでなく、肝臓・腎臓・糖尿病・甲状腺・血液疾患などの全身疾患、薬の副作用、精神的なストレスなど多岐にわたります。

 

「かゆいだけだから」と放置せず、特に長期間続くかゆみ・皮疹を伴わないかゆみ・夜間に強いかゆみは、原因を調べることが重要です。

かゆみが出やすい時間帯・状況から原因を絞り込む

🌙 夜間〜就寝中

夜に特にかゆい

アトピー性皮膚炎・疥癬・乾燥肌・じんましん・胆汁うっ滞(肝疾患)が夜間に悪化しやすい

☀️ 入浴後・汗をかいた後

お風呂上がりにかゆい

乾燥肌(水分が蒸発して乾燥)・アトピー・コリン性じんましん(体温上昇で誘発)

🔄 一日中・体の広い範囲

皮疹がないのにかゆい

アトピー性皮膚炎・疥癬・乾燥肌・じんましん・胆汁うっ滞(肝疾患)が夜間に悪化しやすい

🌊 特定の場所・物に触れた後

触れた部位がかゆい

接触性皮膚炎(金属・化粧品・洗剤・植物)。触れた部位と皮疹が一致する

症状・特徴から原因を絞り込む

❄️
冬に悪化・皮膚がカサカサ

高齢者・乾燥する季節に多い。皮脂の分泌が減少してバリア機能が低下

→ 乾燥肌・老人性皮膚掻痒症

🌿
幼少期からの乾燥・かゆみが続く

アレルギー体質(喘息・鼻炎)との合併が多い。増悪・寛解を繰り返す

→ アトピー性皮膚炎

🌊
地図状の膨らみが出て数時間で消える

膨疹(ふくらみ)が突然できて消える。全身どこにでも出現

→ じんましん(蕁麻疹)

🦶
足の指の間・足の裏のかゆみ・皮むけ

白癬菌(カビ)による感染症。夏に悪化。人にうつる可能性がある

→ 水虫(足白癬)

🌙
夜間に激しいかゆみ・指の間に小さい丘疹

ヒゼンダニによる感染症。家族・施設内で集団感染することがある

→ 疥癬(かいせん)

🫀
皮疹がないのに全身がかゆい

肝疾患・腎臓病・糖尿病・甲状腺疾患・血液疾患など内科的な病気が原因のことも

→ 全身疾患に伴うかゆみ

⚠️ こんな症状がある場合は早めに受診してください

市販薬を使っても2週間以上かゆみが改善しない

皮疹(湿疹・赤み)がないのに全身がかゆい

夜間のかゆみがひどくて眠れない

指の間・手首・おへそ周り・陰部に激しいかゆみがある(疥癬の疑い)

かゆみと一緒に体重減少・疲れやすさ・黄疸(皮膚・目が黄色くなる)がある

かゆみとともに全身に発疹が急速に広がっている

かゆみ以外に尿の色が濃い・むくみ・息切れを伴う

肌のかゆみの主な原因

1. 乾燥肌(皮脂欠乏性湿疹・老人性皮膚掻痒症)

かゆみの原因として最も多い。皮脂の分泌低下・バリア機能の低下によって皮膚が乾燥し、外部刺激に敏感になる。高齢者・冬季・エアコン環境で特に多い。

乾燥によるかゆみのしくみ

健康な皮膚は、角質層の中の天然保湿因子(NMF)・細胞間脂質(セラミドなど)・皮脂膜が組み合わさって外部刺激をブロックし、水分の蒸発を防いでいます。加齢・洗いすぎ・低湿度・エアコンの使用・甲状腺機能低下症などによってこのバリア機能が低下すると、皮膚が乾燥(ドライスキン)し、外部の刺激や内部からの免疫信号がかゆみ受容体を活性化させます。

 

特に60歳以上の高齢者では皮脂分泌の低下が著しく、ふくらはぎ・太もも・背中・腕などにかゆみを伴う乾燥した皮膚炎が出やすくなります。これを老人性皮膚掻痒症(または皮脂欠乏性湿疹)といいます。「冬になるとかゆくなる」「お風呂上がりにかゆくなる」という方の多くはこの状態です。

主な症状・好発部位

皮膚のカサカサ・粉をふいたような乾燥感

掻くと白い粉(鱗屑)が落ちる

ふくらはぎ・太もも・背中・腕・お腹のかゆみ

皮膚のひび割れ・亀裂

冬・乾燥した室内・入浴後に悪化

高齢者・透析を受けている方・甲状腺機能低下症の方に多い

湿疹(赤み・水ぶくれ)は少ないか軽い

治療・ケア方法

乾燥肌によるかゆみには保湿剤(ヘパリン類似物質・ワセリン・尿素軟膏・セラミド配合製品)の毎日の使用が最も効果的です。入浴後15分以内に全身に塗ることが重要で、1日2回以上(特に朝と入浴後)の保湿習慣が推奨されます。

 

炎症・かゆみが強い部位には短期間のステロイド外用薬を使い、症状を抑えながら保湿ケアを並行します。室内の加湿(湿度50〜60%)・ぬるめのお湯での入浴(42℃以上は皮脂を落としすぎる)・洗浄力の強いボディソープの使いすぎを避けることも重要です。

💡 「年のせいでかゆい」と諦めないでください

高齢者の乾燥によるかゆみ(老人性皮膚掻痒症)は、適切な保湿剤の使用と生活習慣の改善で大幅に改善できます。「年をとったらかゆいのは仕方ない」と放置している方が多いですが、質の高い保湿ケアと適切な外用薬で症状を大きく和らげることが可能です。

2. アトピー性皮膚炎

皮膚バリア機能の異常とアレルギー反応が組み合わさった慢性の皮膚疾患。増悪と寛解を繰り返す。適切な治療と丁寧なスキンケアで「寛解状態」を長く維持することが目標です。吸入薬・生物学的製剤など新しい治療で大きく改善できる時代に。

アトピー性皮膚炎とはどんな病気?

アトピー性皮膚炎は、慢性的に繰り返す強いかゆみと湿疹を主症状とする皮膚疾患です。かゆみは特に夜間〜早朝に強くなる傾向があり、睡眠を妨げ、日常生活・精神面に大きな影響を与えます。かゆいから掻く→皮膚が傷つく→炎症が悪化してさらにかゆくなる「痒み・掻破サイクル」がこの病気を慢性化させる主な要因です。

 

アトピー性皮膚炎のかゆみは、単なる皮膚の乾燥によるかゆみとは異なり、IL-31・IL-4・IL-13などの炎症性サイトカインが神経を直接刺激する「神経性のかゆみ」の成分が強いことが知られています。このため、保湿剤だけでは改善が難しく、炎症を抑える治療が必要です。

主な症状・好発部位

強いかゆみ(特に夜間)

皮膚の乾燥・ザラザラした質感(乾燥肌)

赤み・湿疹・水ぶくれ・落屑(皮むけ)

皮膚が厚く硬くなる(苔癬化)

【乳幼児】顔・頭皮が中心。浸出液を伴う湿疹

【学童〜成人】肘や膝の内側・首・手首が中心

【重症】全身に広がり、皮膚が赤く腫れ上がる

症状は悪化(増悪)と改善(寛解)を繰り返す

悪化要因

悪化要因

内容・対策

皮膚の乾燥

バリア機能の低下を招く最大の要因。保湿剤を1日2回以上全身に塗る習慣を。入浴後15分以内の保湿が特に重要。

掻き破り

掻くと皮膚が傷つき炎症が悪化する。爪を短く切る・就寝時は綿の手袋の使用も有効。

発汗・熱

汗はかゆみを誘発する。汗をかいたらシャワーで流し、清潔を保つ。

ダニ・ハウスダスト

アレルゲンとしてアトピーを悪化させる。こまめな掃除・布団の日干し・カバー使用が有効。

ストレス・疲労

免疫バランスを乱してアトピーを悪化させる。十分な睡眠・ストレス管理が重要。

食物アレルギー

乳幼児では卵・牛乳・小麦などが誘因になることがある。ただし成人では食物との関連は限定的。自己判断で除去食を続けることは栄養面でリスクがある。

皮膚感染症

黄色ブドウ球菌・単純ヘルペスウイルスがアトピーを著しく悪化させることがある(カポジ水痘様発疹症)。感染の疑いがあれば早めの受診を。

治療方針

アトピー性皮膚炎の治療は、

①炎症を抑えるための薬物療法

②スキンケア(保湿・清潔)

③悪化要因の除去、の3本柱で行います。

 

軽症〜中等症では、炎症部位へのステロイド外用薬とタクロリムス外用薬(プロトピック)の使い分けが基本です。非ステロイド系のデルゴシチニブ軟膏(コレクチム)やジファミラスト軟膏(モイゼルト)も選択肢として使われます。

 

重症例や標準治療で改善しない成人患者さんには、近年目覚ましい進化を遂げた生物学的製剤(デュピルマブ=デュピクセント)やJAK阻害薬(バリシチニブ・ウパダシチニブ・アブロシチニブ)が保険適用で使えるようになり、劇的な改善が期待できるようになっています。

⚠️ 掻くことがかゆみを悪化させます

かゆいから掻く→炎症が悪化→さらにかゆいという悪循環がアトピーを慢性化させます。掻くことをゼロにするのは難しいですが、爪を短く切る・かゆい部位を冷やす・手をぬらすなど、掻く代わりになる行動を取り入れることが有効です。夜間に無意識に掻いてしまう方は就寝時の綿手袋も助けになります。

3. じんましん(蕁麻疹)

突然現れる地図状の膨らみ(膨疹)と強いかゆみ。数時間以内に跡を残さず消えるのが特徴。原因は食物・薬剤・感染症・ストレスなど多様。繰り返す場合は早めの受診を。

じんましんとはどんな病気?

じんましん(蕁麻疹)は、皮膚の一部が突然かゆみを伴って盛り上がり(膨疹)、数分〜数時間以内に跡を残さず消えるという症状が特徴的な皮膚疾患です。同じ場所に繰り返し出たり、体のあちこちに広がったりします。蕁麻疹の膨疹は「場所を変えながら消えたり出たりする」のが特徴で、これが他の皮膚炎との大きな違いです。

 

じんましんのメカニズムは、肥満細胞(マスト細胞)からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されることで皮膚の血管が拡張・浸透性が高まり、局所的な浮腫と炎症が起きます。原因が特定できる急性蕁麻疹と、6週間以上繰り返す慢性蕁麻疹に分けられ、慢性蕁麻疹では約70%以上で原因が特定できません。

主な症状と種類

突然現れる盛り上がった赤い膨疹(地図状)

強いかゆみ

膨疹は数分〜数時間で消える(跡が残らない)

全身に広がることも、局所的なこともある

【血管性浮腫】唇・まぶた・舌・喉が腫れる(呼吸困難のリスク)

皮膚の下に白いしこり(痛風結節)ができることも

じんましんの主な原因・誘因

種類

主な原因・特徴

食物アレルギー

エビ・カニ・魚・卵・牛乳・小麦・ナッツ類など。食後30分〜2時間以内に発症することが多い。

薬剤性

NSAIDs(ロキソプロフェン・アスピリンなど)・抗生剤(ペニシリン系)・造影剤など。

感染症

かぜ・インフルエンザ・ウイルス感染が誘因になることがある。

物理性蕁麻疹

皮膚をこすると膨疹が出る(皮膚描記症)、寒冷・日光・運動で誘発される蕁麻疹。

特発性(原因不明)

慢性蕁麻疹の多くは原因が特定できない。自己免疫機序が関与することも。

コリン性蕁麻疹

運動・入浴・精神的緊張による体温上昇が誘因。小さい点状の膨疹が特徴。若い男性に多い。

治療方針

じんましんの治療は抗ヒスタミン薬(第2世代:ビラノア・ルパフィン・デザレックスなど)の内服が第一選択です。効果が不十分な場合は増量・異なる抗ヒスタミン薬への変更・抗ロイコトリエン薬の追加が行われます。

 

慢性難治性蕁麻疹ではオマリズマブ(ゾレア)という生物学的製剤が保険適用で使用できます。原因が特定できた場合は原因物質・誘因の回避が最も重要です。

⚠️ じんましん+喉のつまり感・息苦しさはアナフィラキシーの緊急サインです

じんましんとともに口・舌・喉が腫れる・声が変わる・息苦しい・血圧が下がるなどの症状が出た場合は、アナフィラキシーショックの可能性があり生命に関わります。すぐに119番を呼んでください。エピペンを持っている方はすぐに使用してください。

4. 接触性皮膚炎(かぶれ)

特定の物質に皮膚が触れることで起こる炎症とかゆみ。触れた部位に一致した赤み・水ぶくれ・かゆみが出る。原因物質の特定と回避が根本治療。

接触性皮膚炎のかゆみの特徴

接触性皮膚炎のかゆみは、原因物質に触れた部位にほぼ限定して赤み・腫れ・水ぶくれとともに出現するのが特徴です。アレルギー性の場合は接触から24〜72時間後に症状が出るため、原因物質の特定が難しいことがあります。「最近使い始めた化粧品・洗剤・アクセサリー・外用薬」がある場合は接触性皮膚炎を疑う重要な手がかりです。

 

日常的に多い原因としては、金属(ニッケル・コバルト)・化粧品の香料・防腐剤・ヘアカラーの成分・ゴム製品(ラテックス)・植物(ウルシ・ハゼ)・消毒薬などがあります。職業的に特定の物質に繰り返し触れる方(医療従事者・美容師・調理師・建設業など)は特に注意が必要です。

主な症状・好発部位

接触性皮膚炎の治療では、まず原因物質の特定と使用中止が最優先です。疑わしい化粧品・洗剤・アクセサリーなどを中止するだけで、2〜3週間以内に自然に改善することが多いです。炎症・かゆみが強い場合はステロイド外用薬・抗ヒスタミン薬内服で対症療法を行います。原因が複数疑われる場合はパッチテストで特定します。

5. 水虫(足白癬)・体部白癬

白癬菌(カビの一種)による感染症。足の指の間・足の裏のかゆみ・皮むけが典型的。抗真菌薬で治療できるが、自己判断でステロイドを塗ると悪化します。

水虫のかゆみの特徴

水虫(足白癬)は白癬菌という真菌(カビ)が足の皮膚に寄生することで起こる感染症です。足の指の間(特に4〜5趾間)・足の裏・足の縁などに、かゆみ・皮むけ・水ぶくれ・ひび割れが生じます。

 

ただし水虫はかゆみがほとんどないこともあり、「かゆくないから水虫ではない」とは言い切れません。夏に症状が悪化し、冬に落ち着く傾向があります。

 

白癬菌は足だけでなく、足から爪(爪白癬)・体(体部白癬・たむし)・股部(陰部周辺:いんきんたむし)・頭部(頭部白癬)にも感染します。爪白癬(爪が白く濁って厚くなる)は水虫の再感染源になるため、爪も含めた治療が重要です。

主な症状と種類

足の指の間の皮むけ・かゆみ・ジュクジュク(趾間型)

足の裏全体の皮が厚くなる・乾燥・亀裂(角化型)

足の縁・土踏まずに水ぶくれ(小水疱型)

爪が白く濁る・厚くなる・もろくなる(爪白癬)

体に輪状の赤い皮疹(体部白癬・たむし)

股間・太ももの内側に赤い皮疹(陰股部白癬)

かゆみがないこともある(角化型)

検査・治療方法

水虫の診断は、皮膚の鱗屑(剥がれかけた皮膚)や水ぶくれの蓋を採取してKOH検査(顕微鏡で白癬菌を確認)で行います。自己診断は難しく、乾燥肌・湿疹・掌蹠膿疱症などと見た目が似ているため、検査による確認が重要です。

 

治療は抗真菌薬の外用薬(テルビナフィン・ルリコナゾール・ラノコナゾールなど)を1〜3ヶ月塗り続けることが基本です。爪白癬や角化型・重症例では抗真菌薬の内服が必要です。

⚠️ 水虫にステロイド外用薬は絶対に使用しないでください

かゆいからといってステロイド外用薬を塗ると、白癬菌が増殖して症状がかえって悪化します(難治性白癬・体部白癬の拡大)。「かゆい皮膚炎」だと思ってステロイドを塗っていたら水虫だった、というケースは珍しくありません。KOH検査で水虫かどうかを確認してから治療薬を選ぶことが重要です。

6. 疥癬(かいせん)

ヒゼンダニによる感染症。夜間の激しいかゆみと、指の間・手首・おへそ周り・陰部の小さい丘疹が特徴。家族・施設内での集団感染に注意。確実な診断と適切な駆除治療が必要です。

疥癬とはどんな病気?

疥癬はヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)という目に見えないほど小さなダニが皮膚に寄生することで起こる感染症です。

 

ヒゼンダニが皮膚の角質層にトンネルを掘って産卵し、ダニと卵に対するアレルギー反応が激しいかゆみを引き起こします。皮膚に感染してから症状が出るまでに通常感作に1〜2ヶ月かかるため、「いつ感染したのかわからない」という方が多いのも特徴です。

 

疥癬は直接の皮膚接触(長時間の接触が必要)で感染します。家族・介護施設・病院など密接な接触がある環境では集団感染(院内・施設内アウトブレイク)を起こすことがあります。免疫が正常な通常疥癬と、免疫が著しく低下した方に起こる角化型疥癬(ノルウェー疥癬)があり、角化型はダニの数が極めて多く感染力が非常に強いため、厳格な隔離・対策が必要です。

疥癬のかゆみ・症状の特徴

夜間に特に激しいかゆみ(就寝中に悪化)

指の間・手首・肘・おへそ・陰部・太ももの内側に小さい赤い丘疹

線状の細い灰白色の線(疥癬トンネル)が見られることがある

掻き傷・かさぶた

【特徴的】陰嚢・陰茎に硬い丘疹(結節)ができることがある(疥癬結節)

感染から症状が出るまで1〜2ヶ月かかることがある

感染症ではないため人にうつらない

乾癬を悪化させる因子

乾癬の悪化要因として、感染症(連鎖球菌感染・かぜなど)・ストレス・喫煙・飲酒・肥満・一部の薬剤(β遮断薬・リチウム・抗マラリア薬など)・皮膚への外傷や刺激(ケブネル現象:傷ついた部位に乾癬が出現する)が知られています。

 

禁煙・減量・節酒・ストレス管理は薬物療法と並んで重要な対策です。

検査・治療方法

疥癬の診断は、皮膚の鱗屑や丘疹の内容物をKOH検査・ダーモスコープで観察してヒゼンダニや卵・糞を確認することで行います。治療はイベルメクチン内服(ストロメクトール)が第一選択で、1〜2週間後に再投与することが推奨されます。

 

外用薬(フェノトリン:スミスリン)も選択肢として使われます。感染者の衣類・寝具の洗濯(60℃以上の熱処理またはビニール袋に3日以上密封)・同居家族・密接接触者の同時治療が必須です。

⚠️ 夜間の激しいかゆみ+施設・家族に同様のかゆみがある場合は疥癬を疑って

介護施設・病院・家族など密接な接触がある集団で夜間の激しいかゆみが広がっている場合は、疥癬のアウトブレイクを強く疑う必要があります。早急に受診して診断を確定し、感染者全員の同時治療・環境消毒を行わないと感染が広がり続けます。「自分だけ」と思わず、周囲の状況も合わせてお知らせください。

7. 全身疾患に伴うかゆみ(肝・腎・糖尿病・甲状腺・血液疾患)

皮膚に目立った皮疹がないのに全身がかゆい場合、内科的な全身疾患が原因のことがある。「かゆみだけ」の症状でも、内科的な評価が重要です。

皮疹のないかゆみ(全身性掻痒症)に注意

皮膚の表面に明らかな湿疹・発疹がないのにかゆみだけが持続する場合、これを全身性掻痒症(systemic pruritus)といいます。

 

このような「皮膚に異常がないのにかゆい」状態は、肝臓・腎臓・内分泌疾患・血液疾患・悪性腫瘍・薬剤など、全身の問題を反映していることがあります。皮フ科だけでなく内科的な評価が非常に重要です。

原因疾患

ゆみの特徴・合わせて起こる症状

肝疾患
(胆汁うっ滞・肝硬変・PBC)

胆汁酸が血液中に蓄積して皮膚を刺激する。全身のかゆみ・夜間に悪化・黄疸(皮膚・白目が黄色くなる)・尿の色が濃い・便が白っぽい。皮膚に掻き傷・色素沈着ができる。

慢性腎臓病・透析

尿毒素・リン・二次性副甲状腺機能亢進症などが関与。透析患者の約40〜50%がかゆみを訴える。全身性・夜間に悪化。むくみ・倦怠感・尿量の変化を伴う。

糖尿病

皮膚の乾燥・末梢神経障害・血行障害・感染しやすさ(カンジダ)が組み合わさってかゆみを引き起こす。特に陰部・肛門周囲のかゆみが多い。口渇・多飲・多尿・疲れやすさを伴う。

甲状腺機能亢進症
(バセドウ病など)

皮膚の発汗増加・血流増加によるかゆみ。動悸・体重減少・暑がりを伴う。甲状腺機能低下症では乾燥肌・かゆみが起こることも。

血液疾患
(真性多血症・リンパ腫など)

真性多血症では入浴後(温水に触れた後)に強いかゆみ(水性掻痒)が特徴的。リンパ腫では全身性のかゆみ・体重減少・寝汗・発熱(B症状)を伴うことがある。

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏によって皮膚のバリア機能が低下し、かゆみが起こることがある。特に女性・月経過多のある方に多い。

⚠️ 「皮膚に異常がないのにかゆい」は内科受診のサインです

皮膚に目立った湿疹・発疹がなく、全身のかゆみが数週間以上続いている場合は、肝臓・腎臓・血液疾患など内科的な原因を除外するための血液検査・尿検査が必要です。当院では内科と皮フ科の両方に対応しているため、このようなケースもまとめて評価・対応できます。

8. その他の原因(薬剤性・虫刺され・帯状疱疹など)

かゆみの原因として見逃しやすいが重要な疾患群。特に帯状疱疹は早期治療が重要です。

原因

かゆみの特徴・注意点

薬剤性かゆみ
(薬疹)

抗生剤・解熱鎮痛薬・降圧薬・利尿薬・抗がん剤など多くの薬剤が、全身性のかゆみ・皮疹を引き起こすことがある。服薬開始から数日〜数週間後に発症することが多い。疑わしい薬の中止が必要。

虫刺され
(蚊・ダニ・ノミ・ハチ)

刺された部位の赤み・腫れ・かゆみ。蚊は刺されてすぐ(即時反応)と翌日(遅延反応)の2段階で症状が出ることがある。ハチ刺されによるアナフィラキシーは命に関わる。

帯状疱疹
(ヘルペスゾスター)

水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化。皮疹が出る前に、体の片側だけのピリピリ・チクチクした痛み・かゆみが先行することが多い。発疹(帯状の水ぶくれ)が出たら早急に抗ウイルス薬を開始することが重要。

カンジダ症
(皮膚・陰部)

カンジダ(酵母様真菌)による皮膚・陰部・口腔の感染症。陰部(外陰部・亀頭)の激しいかゆみ・白い分泌物・発赤が特徴。糖尿病・抗生剤使用後・免疫低下時に起こりやすい。抗真菌薬で治療。

精神的ストレス・
心因性掻痒

ストレス・不安・うつ病が皮膚のかゆみを悪化・誘発させることがある。皮膚に異常がなく、検査でも原因が見つからないかゆみの一部は心因性の可能性がある。皮膚科治療と並行して精神科・心療内科との連携が必要なこともある。

掌蹠膿疱症・
汗疱(水疱性湿疹)

手のひら・足の裏に小さい透明な水ぶくれが繰り返し出る病気。かゆみを伴い、水ぶくれが破れて皮がむける。扁桃炎・歯科金属アレルギー・喫煙が関与することがある。

💡 帯状疱疹のかゆみ・痛みは早期治療が重要です

体の片側にピリピリ・ズキズキとしたかゆみや違和感があり、数日後に赤い水ぶくれが帯状に出てくる場合は帯状疱疹の可能性があります。帯状疱疹は発疹が出てから72時間以内に抗ウイルス薬(バラシクロビルなど)を開始することで、症状の期間短縮・後遺症(帯状疱疹後神経痛)のリスクを大幅に下げることができます。「かゆいな」と思ったら早めに受診してください。

当院での検査・治療

「かゆい」という一見シンプルな症状でも、その原因は多様です。当院では内科・皮フ科の両方に対応しているため、皮膚の問題と全身の病気の両方を同時に評価することができます。

検査・処置

目的・対象

視診・詳細な問診

皮疹の分布・形状・色・経過・悪化要因・職業・使用製品・家族歴などを総合的に評価して診断する

アレルギー血液検査
(特異的IgE検査)

ダニ・花粉・食物・動物など特定のアレルゲンに対するIgE抗体を測定。アトピー・じんましんの原因アレルゲン特定に有用

パッチテスト

接触性皮膚炎(かぶれ)の原因物質を特定。疑わしい物質を背中や上腕に48時間貼付して反応を観察する

皮膚擦過検査
(KOH検査)

皮膚の一部を採取して顕微鏡で観察し、カンジダ・白癬菌(水虫の原因菌)などの真菌感染を確認する

血液検査(IgE総量・好酸球)

アレルギー体質・アトピーの重症度評価に使用。TARC(アトピーの炎症マーカー)も有用

皮膚生検

まれに、診断が難しい皮膚疾患(乾癬・皮膚リンパ腫など)で皮膚の一部を採取して病理検査を行う。必要な場合は専門施設へご紹介

💡 内科・皮フ科を一度の受診でまとめて診られます

「かゆみがあるが皮膚に異常がなく、血液検査も気になる」という方は、内科・皮フ科の両方を一度の受診でまとめて評価できる当院が最適です。皮膚の問題と全身疾患の両面から原因を探り、適切な治療につなげます。

かゆみを和らげる自宅でのケア

「かゆい」という一見シンプルな症状でも、その原因は多様です。当院では内科・皮フ科の両方に対応しているため、皮膚の問題と全身の病気の両方を同時に評価することができます。

かゆいときに掻く代わりにできること

かゆくても掻くことは症状を悪化させます。掻く代わりに、かゆい部位を冷やす(保冷剤・冷たいタオル)ことが即効性のある方法です。

 

冷却することでかゆみを感じる神経の活動が一時的に低下します。手を水で冷やすだけでも効果があります。掻く代わりに「軽く叩く・押さえる」ことで刺激を与えながら皮膚を傷つけにくくするという方法も有効です。

入浴・洗浄のポイント

熱いお湯(42℃以上)は皮脂を落としすぎてかゆみを悪化させます。38〜40℃のぬるめのお湯で短時間(10〜15分程度)入浴し、石鹸は泡立てて手で優しく洗いましょう

 

ナイロンタオルでのゴシゴシ洗いは皮膚のバリアを壊すため避けてください。入浴後は水分が残っているうちに(15分以内に)保湿剤を全身に塗ることが重要です。

保湿の習慣

乾燥によるかゆみには保湿が最も基本的なケアです。入浴後すぐと朝の1日最低2回、全身に保湿剤を塗る習慣をつけましょう。

 

特にかゆみが出やすいふくらはぎ・太もも・背中・腕を重点的に。保湿剤はヘパリン類似物質製剤(市販ではヒルドイドソフト・ケアセラなど)・ワセリン・尿素配合クリームなどが有効です。

環境の整え方

室内の乾燥はかゆみを悪化させます。特に冬場は加湿器で湿度を50〜60%に保つことが重要です。ダニ・ハウスダストがアレルギーの原因になっている方は、こまめな掃除機がけ・布団の日干し・防ダニカバーの使用が有効です。就寝時の室温が高すぎると(特にアトピーでは)発汗してかゆみが悪化することがあります。エアコンで適温(25〜26℃程度)を保つことをお勧めします。

⚠️ 市販の「かゆみ止め」を長期使用する前に受診を

市販の抗ヒスタミン薬・ステロイド外用薬は短期の対症療法には有効ですが、原因によっては市販薬では対処できない(水虫・疥癬・全身疾患など)ことや、長期使用による副作用リスクがあります。2週間以上市販薬を使用しても改善しない場合は、原因を調べるために受診してください。

受診の流れ

ステップ①

WEB予約、または直接来院

「かゆいだけで大したことない」とお思いでも、お気軽にお越しください。皮疹の写真(スマートフォン撮影)があると診察の参考になります。かゆみが出る時間帯・場所・悪化する状況・最近使い始めた化粧品・薬などをメモしてお持ちいただけるとスムーズです。

ステップ②

受付・問診票の記入

いつから・どこが・どんなかゆみか、皮疹の有無、悪化する時間帯・状況、服用中の薬、アレルギー歴、家族・周囲にかゆみのある人がいるか(疥癬の確認のため)などをご記入ください。

ステップ③

医師による視診・診察

皮疹の部位・形状・色・広がりを詳しく観察します。必要に応じてダーモスコープ(皮膚拡大鏡)を使用して詳細に観察します。問診と合わせて診断を行います。

ステップ④

必要に応じた検査

水虫との鑑別が必要な場合はKOH検査、アレルゲン特定にはアレルギー血液検査・パッチテスト(後日実施)などを行います。検査内容・結果についてはその都度ご説明します。

ステップ⑤

治療・処方・スキンケア指導

原因に応じた外用薬(ステロイド・抗真菌薬・保湿剤)・内服薬(抗ヒスタミン薬・抗ウイルス薬・抗生剤など)を処方します。スキンケアの具体的な方法・生活上の注意点もお伝えします。

ステップ⑤

お会計・帰宅・経過観察

かゆみが慢性的・繰り返す場合は定期的なフォローアップをお勧めします。疥癬と診断された場合は、同居家族・接触者への対応方法も詳しくご説明します。

よくある質問

ステロイド外用薬は使い続けると皮膚が薄くなりますか?

ステロイド外用薬を強い薬を顔・皮膚が薄い部位に長期間(数ヶ月以上)使い続けると、皮膚菲薄化(皮膚が薄くなる)・毛細血管拡張などの副作用が起こりうることがあります。しかし、医師の指示に従って適切な強さの薬を適切な期間使用することでこのリスクは最小化できます。逆に「副作用が怖い」からとステロイドを使わずに炎症を放置することの方が、長期的には皮膚により大きなダメージを与えます。心配な点はお気軽にご相談ください。

アトピーは完全に治りますか?

アトピー性皮膚炎は「完全治癒」が難しい場合もありますが、適切な治療とスキンケアによって症状がほぼない状態(寛解)を長期間維持することは十分に可能です。近年は生物学的製剤やJAK阻害薬など新しい治療薬が登場し、以前は難治性だった方でも改善が期待できるようになっています。「一生付き合っていく病気」ではありますが、うまくコントロールすれば日常生活に支障のない生活を送ることができます。

じんましんが繰り返し出ます。原因を調べてもらえますか?

はい、アレルギー検査(特異的IgE血液検査)を行うことで、食物・ダニ・花粉・動物など特定のアレルゲンへの感作を確認できます。ただし、慢性蕁麻疹(6週間以上繰り返すじんましん)の約70%は検査をしても原因が特定できないことが知られています。原因が不明でも抗ヒスタミン薬・生物学的製剤(オマリズマブ)で症状をコントロールできることが多いです。

子どものアトピーで卵・牛乳を除去していますが、必要ですか?

乳幼児のアトピーでは食物アレルギー(特に卵・牛乳)が関与するケースがありますが、すべての子どもに食物除去が必要なわけではありません。むしろ必要以上の除去食は栄養上のリスクがあります。食物アレルギーの関与が疑われる場合は、アレルギー検査を行い、医師の指導のもとで計画的に食物除去・負荷試験を行うことが重要です。自己判断での過剰な食物制限は避けてください。

乾癬は人にうつりますか?

乾癬は感染症ではなく、人から人へうつることは一切ありません。乾癬は免疫の異常によって起こる炎症性疾患です。外見上の皮疹が目立つことから周囲への誤解・偏見に悩む方も多いですが、接触・入浴・タオルの共有などで感染することはありません。

市販の保湿クリームではなく、処方の保湿剤の方がいいですか?

処方保湿剤(ヘパリン類似物質製剤・尿素軟膏など)は医師が皮膚の状態に合わせて選択でき、保険適用で費用負担も抑えられるメリットがあります。市販品でも十分に効果のある保湿剤はありますが、アトピー性皮膚炎・重度の乾燥肌の管理では処方保湿剤と組み合わせることをお勧めします。「何を使えばいいかわからない」という方は受診時にご相談ください。

化粧品を変えてから顔が荒れています。かぶれですか?

化粧品変更後に顔に赤み・かゆみ・腫れが出た場合、接触性皮膚炎(化粧品かぶれ)の可能性があります。まず疑わしい化粧品の使用を中止し、当院を受診してください。原因物質の特定にはパッチテストが有効ですが、一度に多くの化粧品を変えている場合は、どれが原因か特定が難しいことがあります。成分を一つずつ確認することも重要です。

皮フ科と内科の違いは?どちらに受診すればいいですか?

当院はハル内科・皮フ科クリニックとして、内科と皮フ科の両方に対応しています。湿疹・皮膚炎・じんましん・アトピーなど皮膚の症状は皮フ科として、かぜ・糖尿病・高血圧など内科的な症状は内科として、同じクリニックで診ることができます。「アトピーで皮膚が荒れているが、かぜもひいた」という場合も一度の受診で対応できることが当院の強みです。

診療時間・アクセス

クリニック名

十条駅ハル内科・皮フ科クリニック

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診察時間

月曜日〜日曜日 9:00〜21:00

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休診日

なし(不定休)

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所在地

〒114-0034 東京都北区上十条2-27-1 J&MALL 1階

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電車・徒歩でお越しの方

JR埼京線 「十条駅」から徒歩2分、十条駅前 J&MALL(ジェイトモール)1階

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バスでお越しの方

国際興業バス 「十条駅」バス停のすぐ目の前

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お車でお越しの方

近隣のコインパーキングをご利用ください

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メール:info@halujujo.clinic

公式LINE:https://lin.ee/DRxcelo

電話番号:03-6698-2509

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