皮膚のトラブルは種類が多く、正しい診断が大切
皮膚のトラブルは見た目が似ていても原因・治療がまったく異なることがあります。湿疹か水虫か、いぼかほくろか、ヘルペスかとびひか——自己判断でステロイドや市販薬を使うと症状が悪化したり、診断が難しくなったりします。
当院は内科と皮フ科を併設しており、日常的な皮膚疾患から感染症・外傷まで幅広く対応します。重症例や悪性が疑われる場合は皮膚科専門医療機関へ速やかにご紹介します。
当院で対応する主な皮膚症状
湿疹・かぶれ・手荒れ・乾燥肌・虫刺され・ヘルペス・とびひ・いぼ・水虫・あせも・やけど・切り傷・しもやけ・帯状疱疹・ほくろ相談・皮膚腫瘍の初期評価——広範囲の皮膚症状に対応可能です。

よくある皮膚症状とその特徴
湿疹・皮膚炎(炎症性の皮膚疾患)
| 疾患 | 特徴 | 主な治療 |
|---|---|---|
| 接触皮膚炎(かぶれ) | 原因物質に触れた部位に一致した赤み・かゆみ | 原因除去・外用ステロイド・抗ヒスタミン薬 |
| 手湿疹(主婦湿疹) | 水仕事で悪化、乾燥・ひび割れ・かゆみ | 保湿剤・外用ステロイド・手袋着用 |
| 脂漏性皮膚炎 | 頭皮・眉・鼻横の赤み・フケ | 抗真菌外用薬・弱めのステロイド |
| 貨幣状湿疹 | コイン状の赤み・強いかゆみ、特に下肢 | ステロイド外用・保湿 |
| 乾皮症(老人性乾皮症) | 冬に悪化する乾燥・粉ふき・かゆみ | 保湿剤中心、必要に応じステロイド |
| 汗疹(あせも) | 汗が詰まる夏の皮疹 | 涼しくする・保湿・必要に応じステロイド |
感染性の皮膚疾患
| 疾患 | 特徴 | 主な治療 |
|---|---|---|
| 単純ヘルペス(口唇ヘルペス等) | ピリピリ感→水疱→かさぶた、再発を繰り返す | 抗ウイルス薬(内服・外用)早期開始 |
| 帯状疱疹 | 片側性の痛み→帯状の水疱 | 抗ウイルス薬(早期開始が重要) |
| とびひ(伝染性膿痂疹) | ジュクジュクした水疱やびらん、接触で広がる | 抗生剤(内服・外用) |
| 尋常性疣贅(いぼ) | 表面がザラザラした硬い小隆起、HPV感染 | 液体窒素による凍結療法(複数回必要) |
| 伝染性軟属腫(水いぼ) | 中央に窪みがあるツヤのある小丘疹 | 経過観察か摘除(子どもに多い) |
| 足白癬(水虫) | 足指間のジュクジュク・かゆみ、爪白癬 | 抗真菌外用薬、爪白癬には内服 |
外傷・熱傷
- 切り傷・擦り傷・打撲・刺し傷
- やけど(I度〜III度の初期評価)
- しもやけ(凍瘡)
- 虫刺され(蚊・ブユ・ダニ・ハチ等)
できもの・色素病変
| 種類 | 特徴 | 対応方針 |
|---|---|---|
| 粉瘤(アテローム) | 中央に黒い点のあるドーム状のしこり | 感染時は切開排膿、根治は摘出手術(紹介) |
| 脂肪腫 | 皮下の柔らかいしこり | 経過観察、大きい・増大傾向は紹介 |
| 老人性いぼ(脂漏性角化症) | 加齢で増える茶色の隆起 | 美容目的でなければ経過観察 |
| ほくろ(色素性母斑) | 先天性または後天性、通常は良性 | ABCDE基準で悪性黒色腫を鑑別 |
| シミ(老人性色素斑等) | 顔・手の甲の茶色い平坦な色素 | 美容領域・外用・レーザー(自費) |
ほくろ・できものの危険信号(ABCDE基準)
悪性黒色腫(メラノーマ)を見逃さない
以下のABCDE基準に該当する所見は皮膚がんの可能性があります。1つでも当てはまれば専門機関への精査が必要です。
| 項目 | 悪性を疑う所見 |
|---|---|
| Asymmetry(非対称) | 左右非対称な形 |
| Border(辺縁) | 境界がぼやけている・不整 |
| Color(色調) | 複数の色が混在(黒・茶・赤・白等) |
| Diameter(サイズ) | 直径6mm以上 |
| Evolution(変化) | 短期間に大きさ・色・形が変化 |
その他の要注意サイン
- 出血・びらん・潰瘍化する
- 手のひら・足の裏・爪にある色素病変
- 急速に増大するしこり
- 痛み・かゆみ・しびれを伴う
- 家族に皮膚がんの方がいる
円形脱毛症|「何科?」と迷ったら皮フ科へ
「つむじのあたりに丸いハゲができた」「美容室で指摘されて気づいた」「子どもの後頭部に脱毛斑がある」——円形脱毛症は皮フ科で診断・治療する病気です。ストレスだけが原因と思われがちですが、実際には毛根を体の免疫が誤って攻撃してしまう自己免疫の関与が主な原因と考えられています。アトピー素因や甲状腺疾患などを合併することもあり、原因の見きわめが治療方針を左右します。
放置すると脱毛斑が増えたり広がったりすることがあるため、気づいた時点で早めにご相談ください。円形脱毛症の診察・治療は健康保険が適用されます。
円形脱毛症のタイプ
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 単発型 | 円形・楕円形の脱毛斑が1か所。最も多く、比較的治りやすい |
| 多発型 | 脱毛斑が2か所以上。融合して広がることがある |
| 蛇行型 | 生え際〜後頭部が帯状に脱毛。治りにくい傾向 |
| 全頭型 | 頭髪全体に脱毛が及ぶ |
| 汎発型 | 頭髪だけでなく眉毛・まつ毛・体毛にも及ぶ |
こんなときは受診を
- 脱毛斑が複数ある・数が増えている
- 脱毛斑の境界の毛が軽く抜ける(進行しているサイン)
- 爪に小さなくぼみ(点状陥凹)がある
- 眉毛・まつ毛も抜けてきた
- お子さんの脱毛斑(早めの対応が望まれます)
- 発症から半年以上たっても生えてこない
当院での診察・検査
- 視診・触診による脱毛斑の分布と範囲の評価
- ダーモスコピーに準じた拡大観察(毛の性状の確認)
- 牽引試験(進行の有無の確認)
- 血液検査(甲状腺機能・貧血・アレルギー関連など、必要に応じて)
- 他の脱毛症(男性型脱毛症・抜毛症・頭部白癬など)との鑑別
主な治療の考え方
| 治療 | 内容・位置づけ |
|---|---|
| 副腎皮質ステロイド外用 | 脱毛斑への塗り薬。範囲が限られる場合の基本的な治療 |
| ステロイド局所注射 | 脱毛斑に直接注射する方法。成人の限局した病変に用いられる |
| 内服治療 | 抗アレルギー薬・循環改善薬・グリチルリチン製剤などを症状に応じて併用 |
| 局所免疫療法 | かぶれを人工的に起こして発毛を促す方法。広範囲・難治例で選択される専門的治療 |
| 紫外線療法/経口JAK阻害薬など | 重症・難治例に対する治療。適応の判断が必要なため専門機関と連携します |
当院ではまず診断と原因の評価を行い、外用・内服による治療を開始します。範囲が広い場合や難治の場合は、専門医療機関と連携してご紹介します。効果のあらわれ方には個人差があり、毛が生えそろうまでに数か月を要することが一般的です。
円形脱毛症の日常のケア
- 睡眠不足・過労を避け、生活リズムを整える
- 脱毛斑を強くこすらない・引っぱらない
- ウィッグや帽子の使用は問題ありません(清潔に保ってください)
- 自己判断の育毛剤で刺激を加えない
美容皮フ科(自由診療)のご案内
当院では保険診療とあわせて、自由診療(自費)の美容皮フ科メニューもご用意しています。しみ・肌の乾燥やくすみ・毛穴・肌のハリなど、保険適用外のお悩みもあわせてご相談いただけます。
| メニュー(一般的な分類) | 主な目的 | 費用(税込) |
|---|---|---|
| 美容内服(ビタミンC・ビタミンE・トラネキサム酸 等) | しみ・肌のトーン・エイジングケア | 【○○円(税込)】 |
| 美容点滴・注射(ビタミン製剤・胎盤由来製剤 等) | 肌のトーン・疲労感のケア | 【○○円(税込)】 |
| ボツリヌス毒素製剤による注射 | 表情じわ・多汗のケア | 【○○円(税込)】 |
| ピアス穴あけ | 医療機関での安全な穴あけ | 【○○円(税込)】 |
【自由診療についての注意】上記はいずれも公的医療保険が適用されない自由診療(自費診療)です。費用は全額自己負担となります。効果のあらわれ方には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるものではありません。主なリスク・副作用として、注射部位の内出血・腫れ・痛み・赤み、まれにアレルギー反応、内服では胃部不快感・発疹などが生じる可能性があります。施術・処方の可否は診察のうえ医師が判断します。詳しくは料金ページおよびオンラインSHOPをご覧ください。
こんなときはご相談を
- 市販薬で改善しない湿疹・かゆみが2週間以上続く
- 症状が全身に広がってきている
- 水疱やじゅくじゅくを伴う皮疹
- 発熱・リンパ節腫脹を伴う
- ヘルペスの再発を繰り返す
- いぼが増えてきた・大きくなってきた
- ほくろが気になる・変化がある
- やけどが水疱を伴う、または広範囲
- 子どもの皮膚症状(とびひ・水いぼ等)
ステロイド外用薬について
ステロイド外用薬は湿疹治療の要ですが、強さ・使用部位・期間を適切に選ぶことが重要です。当院では症状に応じてランクを使い分け、必要最小限で最大の効果を狙います。
ステロイド外用薬の強さ(5段階)
| ランク | 代表的な商品名 | 主な使用部位 |
|---|---|---|
| I. 最強(Strongest) | デルモベート等 | 手のひら・足の裏・頑固な湿疹 |
| II. 非常に強い | アンテベート、マイザー等 | 体幹・四肢の重症湿疹 |
| III. 強い(Strong) | リンデロンV、ボアラ等 | 体幹・四肢の一般湿疹 |
| IV. 中等度(Medium) | ロコイド、アルメタ等 | 顔・子ども・デリケート部位 |
| V. 弱い(Weak) | キンダベート等 | 乳児・非常に軽い症状 |
正しい塗り方「FTU(フィンガーチップユニット)」
人差し指の先から第一関節まで絞り出した量(約0.5g)が、大人の手のひら2枚分に塗る量の目安です。「薄く塗る」より「必要量をしっかり」が基本。中途半端に塗ると炎症が長引き、かえって使用期間が延びてしまいます。
当院での診察・処置
診察・検査
- 視診・触診による病変の評価
- ダーモスコピー(色素病変の拡大観察)に準じた評価
- 真菌検査(KOH直接鏡検):水虫・カンジダの確認
- 細菌培養検査(必要時)
- 血液検査(アレルギー関連・炎症マーカー)
処置
- 液体窒素による凍結療法(いぼ・脂漏性角化症)
- 切り傷・擦り傷の洗浄・縫合・被覆
- やけどの被覆処置
- 粉瘤の感染時切開排膿
- 帯状疱疹・ヘルペスの早期抗ウイルス治療
- とびひの抗生剤治療
必要に応じた紹介
- 皮膚悪性腫瘍が疑われる病変 → 皮膚科専門病院
- 粉瘤・脂肪腫の手術摘出 → 形成外科・皮膚科
- 広範囲のやけど・深いやけど → 救急・形成外科
- 難治性・特殊なアトピー性皮膚炎 → 皮膚科専門医
皮膚の健康を保つセルフケア
スキンケアの基本
- 洗いすぎに注意:1日1回の入浴、こすりすぎない
- 38〜40℃のぬるめのお湯(熱湯は乾燥を悪化)
- 低刺激の石けん・保湿成分入りを選ぶ
- 入浴後5分以内に保湿剤を塗布
- 保湿剤はたっぷりと(乾燥季は1日2〜3回)
- 爪は短く、かきむしり防止
感染症予防
- タオル・バスマットの共用を避ける(水虫・ヘルペス対策)
- 傷口は清潔に保ち、早めにご相談を(とびひ予防)
- 水いぼ・いぼは掻き壊さない(拡大防止)
日焼け対策(皮膚がん予防)
- 日焼け止め(SPF30以上、PA++以上)を1年通じて使用
- 帽子・長袖・サングラスで物理的遮光
- 10〜14時の直射日光を避ける
- 日焼け後の水ぶくれは放置せず受診
当院の皮フ科診療の特徴
- 内科併設で、皮膚症状+全身状態の両面から評価
- 湿疹・感染症・外傷など一般的な皮膚症状を幅広く診察
- 液体窒素によるいぼ治療、縫合・処置対応
- ステロイド外用薬をランク・部位・期間を考慮して適切に処方
- 皮膚悪性腫瘍が疑われる場合は専門機関へ速やかに紹介
- 真菌検査・血液検査も即日対応可能
- 予約なし・当日受診OK/毎日9時から診療/十条駅徒歩1分
迷ったらまず受診を
「何科に行けばいいのかわからない皮膚の症状」もお気軽にご相談ください。必要に応じて皮膚科専門機関・形成外科・内科と連携します。早期に正しい診断を受けることが治療の第一歩です。





