骨折・捻挫とは
骨折と捻挫は日常生活やスポーツで最もよく起こるケガです。見た目や症状が似ているため区別が難しく、自己判断で放置すると治癒が遅れたり後遺症を残すことがあります。痛み・腫れ・変形があれば、まず医療機関で評価を受けることが大切です。
当院では内科・皮フ科の診療範囲で、初期評価・応急処置・X線による診断を行い、手術や固定が必要な場合は速やかに整形外科へご紹介します。
受傷直後の応急処置「RICE」
Rest(安静)・Ice(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)——これが急性期の基本です。受診までの間にこの4つを実行することで、腫れ・痛み・内出血を抑えることができます。

骨折・捻挫・打撲の違い
| 損傷 | 特徴 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 骨折 | 骨の連続性が断たれた状態 | 強い痛み・変形・荷重不可・異常可動域 |
| 脱臼 | 関節面がずれる | 関節の変形・可動域制限 |
| 捻挫 | 関節の靱帯・関節包の損傷 | 腫れ・皮下出血・可動時痛 |
| 打撲 | 皮下・筋肉の損傷(骨・関節は無事) | 腫れ・内出血・打撲部の痛み |
| 肉離れ | 筋繊維の部分断裂 | 急な鋭い痛み・腫れ・運動時痛 |
骨折の種類と症状
骨折のタイプ
- 単純骨折(閉鎖骨折):皮膚が破れていない
- 複雑骨折(開放骨折):骨が皮膚を突き破っている(感染リスク、緊急)
- 完全骨折:骨が完全に折れて分離
- 不全骨折(ひび・ヒビ):骨の連続性は保たれるが一部亀裂
- 粉砕骨折:3つ以上に折れる
- 疲労骨折:繰り返しの負荷による微小骨折
- 剥離骨折:腱・靱帯付着部が剥がれる
骨折を疑う症状
- 受傷時に「ゴキッ」「ボキッ」という音がした
- 強い痛みで患部を動かせない
- 明らかな変形(曲がっている・短くなっている)
- 荷重(体重をかける)ができない
- 腫れと皮下出血(青黒い色)が急速に広がる
- 骨が皮膚から突き出ている(開放骨折・緊急)
- 異常な可動域(本来曲がらない部分で動く)
捻挫の重症度
捻挫は靱帯・関節包の損傷程度により3段階に分類されます。
| グレード | 損傷程度 | 症状・治療 |
|---|---|---|
| I度(軽度) | 靱帯の微小断裂 | 軽い腫れ・痛み、2〜3週で改善、弾力包帯 |
| II度(中等度) | 靱帯の部分断裂 | 中等度の腫れ・歩行困難、装具固定3〜6週 |
| III度(重度) | 靱帯の完全断裂 | 高度の腫れ・関節不安定性、ギプス固定/手術検討 |
よく起こる捻挫の部位
- 足関節(足首):内返し捻挫が最多
- 膝関節:内側側副靱帯・前十字靱帯
- 手関節:転倒時の手つき
- 指関節:球技スポーツで多い
- 頸椎(むち打ち症):交通事故などの衝撃
RICE処置の具体的な方法
Rest(安静)
- 受傷部位を動かさない
- 松葉杖・スリングで負担軽減
- 運動・仕事は休む
Ice(冷却)
- 氷嚢・保冷剤をタオルで包んで当てる
- 1回15〜20分、2〜3時間おきに
- 受傷後48〜72時間を重点的に
- 凍傷予防のため直接肌に当てない
Compression(圧迫)
- 弾性包帯で軽く圧迫(きつすぎは血流障害)
- 指・つま先の色・感覚を確認しながら
Elevation(挙上)
- 患部を心臓より高く保つ
- 腫れ・内出血を軽減
- 就寝時もクッションで挙上
受傷直後の「温める」は厳禁
受傷後48〜72時間は炎症が活発な時期です。温めると血管拡張で腫れ・痛みが悪化します。入浴・サウナ・飲酒・マッサージは避けて、必ず冷却を行ってください。
受傷後にやってはいけないこと
- 痛みを我慢して動かす・荷重する
- 受傷部位を温める(急性期48〜72時間)
- 患部をマッサージする
- アルコールを飲む(血行増加で悪化)
- 「ストレッチで治そう」と無理に伸ばす
- 湿布を直接皮膚に長時間貼る(かぶれ予防)
- 痛み止めの飲みすぎ・長期連用
こんなときは緊急受診を
以下の症状は整形外科・救急受診が必要
命に関わる可能性や、放置すると後遺症を残すケースです。
- 骨が皮膚から突き出している(開放骨折)
- 明らかな変形・短縮
- 受傷部位の色が白〜紫で冷たい(血流障害)
- 受傷部位より先(指先等)が動かない・感覚がない
- 大量の出血
- 頭部外傷で意識もうろう・嘔吐
- 頸部外傷(むち打ち以上)
- 腹部・胸部打撲で呼吸困難・激痛
- 高齢者の転倒(大腿骨頸部骨折の可能性)
当院での診察・検査
診察の流れ
- 問診:受傷時の状況、既往、痛みの性質
- 視診:変形・腫れ・皮下出血・開放創の確認
- 触診:圧痛点・関節可動域・神経/血管の評価
- X線検査(胸部レントゲンで対応できる範囲)
- 応急処置・処方
- 必要時は整形外科へ紹介
当院で対応できること
- 受傷後の初期評価と応急処置
- 軽症の打撲・捻挫の管理
- 鎮痛薬・湿布の処方
- 簡単な包帯・テーピング
- 感染予防(開放創の洗浄)
- 破傷風予防接種の検討
整形外科紹介が必要なケース
- 骨折が疑われる・X線で確認
- ギプス固定・手術が必要
- 脱臼の整復
- 捻挫III度(靱帯完全断裂)
- CT・MRIが必要
- リハビリテーション
治療と回復期間の目安
| 損傷 | 治療 | 回復期間 |
|---|---|---|
| 軽度の打撲 | RICE・鎮痛薬 | 1〜2週間 |
| 捻挫I度 | 弾力包帯・鎮痛薬 | 2〜3週間 |
| 捻挫II度 | 装具・リハビリ | 4〜8週間 |
| 捻挫III度 | ギプス・手術検討 | 2〜6か月 |
| 単純骨折 | ギプス・リハビリ | 6〜12週間 |
| 複雑骨折・手術例 | 手術・長期リハビリ | 3〜12か月以上 |
鎮痛・消炎薬について
内服薬
- アセトアミノフェン:妊婦・子どもにも使いやすい
- NSAIDs(ロキソプロフェン・セレコキシブ等):強力な抗炎症作用、胃腸・腎への注意
- 弱オピオイド(トラマドール):NSAIDsで効かない痛み
外用薬
- 冷感湿布(サリチル酸系):急性期の炎症
- 温感湿布:慢性期の血行改善
- NSAIDs外用(ロキソニンゲル・ボルタレンゲル等):局所の鎮痛・消炎
リハビリ・復帰の考え方
「固定期間が終わってすぐ全力復帰」はNG
固定中は筋力・関節可動域が低下します。段階的なリハビリと徐々に負荷を増やす復帰プロトコルが再受傷予防の鍵です。焦らず専門家の指導のもと進めましょう。
段階的復帰の例(足関節捻挫)
- 急性期(1〜7日):安静・冷却・荷重制限
- 亜急性期(1〜3週):装具で保護しつつ荷重開始
- 回復期(3〜6週):可動域訓練・筋力訓練
- 機能回復期(6週以降):バランス訓練・スポーツ特化訓練
- 競技復帰(8〜12週):医師・トレーナー許可のもと段階的に
高齢者の転倒・骨折予防
高齢者では大腿骨頸部骨折・椎体圧迫骨折・手関節骨折が多発し、寝たきりや生活機能低下の大きな原因になります。
転倒予防のポイント
- 自宅の段差・滑りやすい床を整備
- 手すり・杖の活用
- 適切な靴(滑り止め)の選択
- 薬剤性ふらつきの見直し
- 視力・聴力の定期評価
- 下肢筋力トレーニング・バランス訓練
- 骨粗しょう症の治療(Ca・ビタミンD・ビスホスホネート等)
当院の骨折・捻挫診療の特徴
- 受傷直後の応急処置(RICE法の指導)から対応
- 胸部X線装置で骨折の初期評価が可能
- 鎮痛薬・湿布・テーピングの処方
- 開放創の洗浄・破傷風予防接種
- ギプス・手術が必要な場合は整形外科へ速やかに紹介
- 高齢者の骨粗しょう症評価・治療
- 内科併設で全身状態も踏まえて診療
- 予約なし・当日受診OK/毎日9〜21時診療/十条駅徒歩1分
「大したことない」と思っても受診を
捻挫・打撲と思っていたら骨折だった、というケースは少なくありません。特に受傷直後の正確な診断が回復への近道です。迷ったらまずご相談ください。





