鼻水・のどの痛みとは
鼻水・鼻づまり・のどの痛みは上気道炎(かぜ)の代表的な症状ですが、その背景は多彩で治療法もまったく異なります。かぜ・インフル・コロナ・副鼻腔炎・花粉症・溶連菌感染症・扁桃炎・後鼻漏など、原因の見極めが重要です。
当院では迅速検査(インフル・コロナ・溶連菌)や視診・血液検査で原因を特定し、症状と原因に合った治療を行います。
自己判断での市販薬には限界があります
市販の総合感冒薬は複数成分が配合されており、必要のない成分まで摂取してしまいます。原因に応じて適切な薬を個別に処方したほうが効果的かつ副作用も少なく済みます。

主な原因疾患
| 疾患 | 特徴的な症状 | 主な治療 |
|---|---|---|
| かぜ症候群(普通感冒) | 鼻水・くしゃみ・軽度の咽頭痛、微熱 | 対症療法(抗ヒスタミン・去痰薬等) |
| インフルエンザ | 突然の高熱・関節痛・全身倦怠感・のど痛 | 迅速検査→抗インフル薬 |
| 新型コロナウイルス感染症 | のど痛・発熱・味覚障害・倦怠感 | 抗原検査→抗ウイルス薬(適応例) |
| 溶連菌感染症 | 強いのど痛・発疹・舌の赤み・発熱 | 迅速検査→ペニシリン系抗生剤10日間 |
| 急性扁桃炎 | のどの奥の強い痛み・飲み込みづらい・扁桃の腫れ・白苔 | 抗生剤、重症は点滴 |
| 副鼻腔炎(急性・慢性) | 黄緑色の鼻水・頬/額の痛み・後鼻漏 | 抗生剤・鼻洗浄、慢性は耳鼻科紹介 |
| 花粉症(アレルギー性鼻炎) | 透明のサラサラ鼻水・くしゃみ連発・目のかゆみ | 抗ヒスタミン・点鼻ステロイド |
| 通年性アレルギー性鼻炎 | ダニ・ハウスダスト由来の鼻症状 | 抗ヒスタミン・舌下免疫療法 |
| 咳喘息・アトピー咳嗽 | 長引く咳・アレルギー素因 | 吸入ステロイド・気管支拡張薬 |
鼻水の色・性状で疑う疾患
| 鼻水の性状 | 疑う疾患 |
|---|---|
| 透明・サラサラ | かぜの初期・アレルギー性鼻炎・寒冷性鼻炎 |
| 白色・粘性 | かぜの中期・慢性鼻炎 |
| 黄色・緑色(蛍光色っぽい場合も) | 細菌性副鼻腔炎・慢性副鼻腔炎(蓄膿症) |
| 血液混入 | 鼻出血・鼻腔腫瘍(要精査) |
| 後鼻漏(のどに流れる) | 副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎 |
黄緑色・蛍光色のような鼻水が10日以上続く場合は受診を
かぜの鼻水は通常7〜10日で自然に軽快します。黄緑色の鼻水が10日以上続く・頬や額に痛みがある場合、細菌性副鼻腔炎の可能性があり抗生剤治療が必要です。
鼻と喉の間が痛い——上咽頭炎の可能性
「鼻の奥が痛い」「鼻と喉の間がヒリヒリする」「のどの上の方に違和感がある」——このような症状は、上咽頭(じょういんとう)という部位の炎症が原因になっていることがあります。
上咽頭とは
上咽頭は、鼻の奥・喉の一番上に位置する部分です。鼻から吸い込んだ空気が最初に通過する場所で、ウイルス・細菌・ホコリなどに常にさらされているため、炎症が起きやすい部位です。
上咽頭炎の症状
- 鼻と喉の間(鼻の奥)の痛み・ヒリヒリ感
- 喉の奥の乾燥感・イガイガ感
- 後鼻漏(鼻水が喉に流れる感じ)
- 痰がからむ・咳払いが増える
- 頭の重さ・だるさを伴うことがある
急性上咽頭炎と慢性上咽頭炎
| 分類 | 特徴 | 主な原因 |
| 急性上咽頭炎 | 風邪に伴って一時的に起こる | ウイルス感染 |
| 慢性上咽頭炎 | 症状が長期間(1ヶ月以上)続く・繰り返す | 繰り返す感染・乾燥・後鼻漏・自律神経の乱れ |
慢性化すると、鼻・喉の症状だけでなく、肩こり・頭痛・倦怠感など全身の不調につながることもあると言われています。「検査では異常なし」と言われ続けている長引く不調の背景に、上咽頭の炎症が関係している場合があります。
セルフケア
- 鼻うがい(生理食塩水で鼻の奥を洗浄)
- うがい(喉の奥まで意識して)
- 加湿(湿度50〜60%を保つ)
- 十分な睡眠・休養
受診の目安
- 鼻と喉の間の痛みが1週間以上続く
- 後鼻漏・痰がらみが慢性的に続く
- 頭痛・倦怠感など全身症状を伴う
- 風邪が治った後も違和感が残る
当院では問診・視診で炎症の有無を確認し、症状に応じた治療を行います。慢性化している場合や専門的な処置(Bスポット療法など)が必要な場合は、耳鼻咽喉科への紹介も可能です。
のどの痛みで見逃してはいけない疾患
溶連菌感染症
- のどの強い痛み・発熱(38℃以上)・舌の赤み(苺舌)・体幹の発疹
- 鼻水・咳は少ないのが特徴
- 小児に多いが成人にも
- 迅速検査(5〜10分)で診断
- 抗生剤を10日間飲み切ることが重要(リウマチ熱・急性糸球体腎炎の予防)
急性扁桃炎・扁桃周囲膿瘍
- 扁桃が赤く腫れ、白い膿(膿栓)が付くことも
- 飲み込み困難・発熱・リンパ節腫脹
- 扁桃周囲膿瘍になると開口障害・発語困難(耳鼻科緊急)
- 抗生剤治療、重症は点滴・入院
伝染性単核球症(EBウイルス)
- 若年成人に多い
- 長引くのど痛・全身倦怠感・リンパ節腫脹・発熱
- 抗生剤(特にアモキシシリン)で皮疹が出ることがある
- 血液検査で診断、対症療法中心
その他の見逃したくない疾患
- 咽後膿瘍:呼吸困難を伴う
- 急性喉頭蓋炎:急速に進行、呼吸困難・嚥下困難(緊急)
- 口腔・咽頭がん:長引く違和感・喫煙歴
- 甲状腺炎:前頸部痛+発熱
副鼻腔炎(蓄膿症)について
副鼻腔炎は鼻の周囲の空洞(副鼻腔)に炎症が起こる病気です。急性と慢性に分けられ、治療方針が異なります。
急性副鼻腔炎
- かぜの後に発症しやすい
- 黄緑色の粘性鼻水・頬/額の痛み・発熱
- 前屈姿勢で悪化する頭痛
- 治療:抗生剤(7〜14日)・鼻洗浄・解熱鎮痛薬
慢性副鼻腔炎
- 3か月以上続く
- 持続する鼻づまり・後鼻漏・嗅覚低下
- 鼻茸(ポリープ)を伴うことも
- 治療:マクロライド少量長期療法・耳鼻科での内視鏡手術が必要な場合も
長引く鼻症状・嗅覚障害は耳鼻科紹介
慢性副鼻腔炎・鼻茸・嗅覚障害が疑われる場合、耳鼻咽喉科での内視鏡診察・CT検査が必要です。当院で初期診療と薬物治療を行い、必要に応じて専門医療機関へご紹介します。
アレルギー性鼻炎・花粉症との鑑別
| 項目 | かぜ | アレルギー性鼻炎 |
|---|---|---|
| 鼻水 | 徐々に粘性に | 透明でサラサラ |
| くしゃみ | 時々 | 連続する |
| 目のかゆみ | ほぼなし | 強い(特に花粉症) |
| 発熱 | あることが多い | なし |
| 期間 | 1〜2週間 | 数週間〜数か月・毎年同時期 |
| のどの痛み | 強〜中等度 | 軽度 |
当院での診察・検査
問診のポイント
- 発症時期・持続期間・初期症状からの変化
- 熱の有無・鼻水の色と性状
- のどの痛みの強さ・部位
- 咳・痰・耳痛の有無
- 周囲の感染状況・ワクチン歴
- アレルギー歴・季節性
- 既往・喘息・喫煙歴
検査
| 検査 | 目的 |
|---|---|
| インフル迅速検査 | A型・B型判定(15分) |
| コロナ抗原検査 | COVID-19判定 |
| コロナ・インフル同時検査 | 両方を1回で判定 |
| 溶連菌迅速検査 | 10分で判定 |
| 咽頭視診 | 扁桃の腫れ・白苔・膿の確認 |
| 血液検査 | 炎症マーカー(WBC・CRP)・細菌/ウイルス鑑別 |
| 特異的IgE(アレルギー検査) | 花粉症・ダニの特定 |
| View39 | 39種類のアレルゲン一括検査 |
治療の選択肢
症状別の処方例
| 症状 | 処方例 |
|---|---|
| 透明の鼻水・くしゃみ | 抗ヒスタミン薬(フェキソフェナジン・ビラスチン等) |
| 鼻づまり | 点鼻ステロイド(フルチカゾン・モメタゾン) |
| 粘性の鼻水・後鼻漏 | カルボシステイン・アンブロキソール |
| のどの痛み(ウイルス性) | アセトアミノフェン・NSAIDs・トローチ |
| のどの痛み(細菌性) | 抗生剤(アモキシシリン・セフカペン等) |
| 咳 | 鎮咳薬(デキストロメトルファン)・去痰薬 |
抗生剤の適正使用
かぜ=抗生剤ではない
かぜの9割以上はウイルス感染で、抗生剤は効きません。不要な抗生剤の使用は薬剤耐性菌を生み出す原因になります。当院では細菌感染が確認された場合のみ抗生剤を処方する方針です。
こんな症状はご相談を
- 鼻水・のどの痛みが1週間以上続く
- 38℃以上の発熱を伴う
- 黄緑色の鼻水が続き頬・額に痛み
- 強いのど痛で飲み込めない
- 呼吸が苦しい・ぜーぜー
- 目のかゆみを伴う連続するくしゃみ
- 毎年同じ時期に発症する鼻症状
- 市販薬で改善しない
日常生活でのセルフケア
かぜ症状のときに
- 十分な水分補給(水・白湯・経口補水液)
- 加湿(湿度50〜60%)で喉の乾燥防止
- 鼻うがい(生理食塩水で)
- マスクで保湿+飛沫予防
- 十分な睡眠と休養
- 温かく消化の良い食事
アレルギー性鼻炎の対策
- 花粉対策マスク・メガネ
- 帰宅時の衣服の花粉払い・手洗い
- 空気清浄機・HEPA フィルター
- 布団乾燥・週1回のシーツ洗濯
- カーペットを避ける
禁煙のすすめ
喫煙は鼻・のど・気管支の粘膜を直接傷つけ、症状を悪化・慢性化させます。禁煙で感染症・アレルギー症状とも改善します。
当院の鼻・のど症状診療の特徴
- インフル・コロナ・溶連菌の迅速検査を即日実施
- 症状に応じた個別処方(市販の総合感冒薬より効率的)
- アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法(シダキュア・ミティキュア)に対応
- 慢性副鼻腔炎・鼻茸・嗅覚障害は耳鼻科へ速やかに紹介
- 溶連菌感染の抗生剤治療と再発予防指導
- 抗生剤の適正使用(細菌感染時のみ処方)
- 予約なし・当日受診OK/毎日9〜21時診療/十条駅徒歩1分
症状が軽くても原因を知ることが大切
同じ「のどの痛み」でも原因が違えば治療は異なります。早く原因を特定することで適切な薬を最短期間で使えるため、結果として治りも早くなります。





