発熱とは
発熱とは、体内の免疫反応により体温調節中枢のセットポイントが通常より高く設定され、体温が上昇した状態です。感染症や炎症への防御反応として起こる重要な生体機能ですが、症状によっては重症化のサインである場合もあります。

体温の目安
| 体温 | 分類 | 一般的な対応 |
|---|---|---|
| 〜37.4℃ | 平熱〜微熱 | 経過観察 |
| 37.5〜37.9℃ | 微熱 | 水分補給・安静 |
| 38.0〜38.9℃ | 中等度の発熱 | 原因の見極めが重要 |
| 39.0℃以上 | 高熱 | 早めの医療機関受診 |
※ 平熱は個人差があり、一般的には36.0〜37.0℃の範囲に収まります。ご自身の平熱を把握しておくと、体調変化に気づきやすくなります。
体温の正確な測り方
- 脇の下の汗をしっかり拭き取る
- 体温計の先端を脇の中央のくぼみに当てる
- 腕をしっかり閉じて固定する
- 運動・入浴・食事直後は避ける(30分以上経過後が望ましい)
発熱の主な原因
発熱の原因は非常に多岐にわたります。多くは感染症が原因ですが、感染症以外の疾患で発熱する場合もあります。
感染症による発熱(最も頻度が高い)
| 疾患 | 特徴的な症状 | 当院の対応 |
|---|---|---|
| かぜ症候群(普通感冒) | 鼻水・くしゃみ・のどの痛み、微熱〜中等度の熱 | 対症療法(解熱剤・鎮咳薬等) |
| インフルエンザ | 突然の高熱、強い全身倦怠感・関節痛 | 迅速検査、抗インフル薬 |
| 新型コロナウイルス感染症 | のど痛・発熱・味覚障害・倦怠感 | 抗原検査、抗ウイルス薬(適応あり) |
| 溶連菌感染症 | 強いのどの痛み・発疹・舌の赤み | 迅速検査、ペニシリン系抗生剤 |
| 急性胃腸炎 | 下痢・嘔吐・腹痛・発熱 | 整腸剤・点滴 |
| 尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎) | 排尿時痛・頻尿・腰背部痛を伴う発熱 | 尿検査、抗生剤 |
| 肺炎 | 咳・痰・呼吸困難・高熱 | 胸部X線、血液検査、抗生剤 |
| 急性扁桃炎 | のどの激しい痛み、飲み込みづらさ | 診察・抗生剤 |
感染症以外の発熱
- 熱中症:夏場や高温環境下での発熱
- 自己免疫疾患(膠原病・関節リウマチなど)
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
- 薬剤性発熱(特定の薬剤の副作用)
- 悪性腫瘍に伴う不明熱
- 深部静脈血栓症・肺塞栓症
こんな症状があれば早めに受診を
以下の症状を伴う発熱は要注意
重篤な疾患や重症化のサインの可能性があります。自己判断せず早めの受診をおすすめします。
- 38.5℃以上の高熱が2〜3日以上続いている
- 市販の解熱剤を使っても熱が下がらない
- 激しい頭痛、首のこわばり、意識のもうろう
- 呼吸が苦しい、胸の痛み、SpO₂の低下
- 排尿時痛・頻尿・腰背部の強い痛みを伴う
- 激しい腹痛や下痢・嘔吐で水分が取れない
- 全身に発疹が出ている、または急速に広がっている
- 海外渡航後(特に2週間以内)の発熱
- 高齢者・妊娠中・免疫機能が低下している方の発熱
当院で行える検査・治療
発熱の原因を見極めるため、症状に応じて必要な検査を組み合わせて診断します。
迅速検査(10〜15分で結果判定)
| 検査 | 対象 | 最適な実施タイミング |
|---|---|---|
| インフルエンザ迅速検査 | A型・B型 | 発症後12〜24時間 |
| 新型コロナ抗原検査 | COVID-19 | 発症後1〜5日以内 |
| 溶連菌迅速検査 | A群β溶血性連鎖球菌 | のど症状出現後すぐ |
| コロナ・インフル同時検査 | 両方を1度に判定 | 発症後12時間以降 |
※ 発症直後は偽陰性(感染しているのに陰性となる)の可能性があります。検査結果と症状・経過を総合的に評価して診断します。
血液検査
細菌感染かウイルス感染かの鑑別、炎症の程度、臓器機能の評価を行います。
- 白血球数(WBC)と分画:細菌感染では好中球が、ウイルス感染ではリンパ球が増加する傾向
- CRP(C反応性蛋白):炎症の強さを示すマーカー
- 肝機能(AST・ALT)・腎機能(BUN・Cr)
- 電解質(Na・K・Cl):脱水の評価
尿検査
尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎)が疑われる場合に実施します。白血球・細菌・亜硝酸塩の有無を確認し、必要に応じて尿培養検査で原因菌を特定します。
胸部レントゲン(X線)
咳・痰・息苦しさがある場合、肺炎や気管支炎の有無を確認します。
点滴(輸液療法)
嘔吐や下痢で水分が取れない方、脱水症状が強い方には点滴で水分・電解質を補給します。解熱剤や制吐剤を併用することも可能です。
自宅でのケア
水分補給が最優先
発熱時は発汗や呼気からの水分喪失が増え、脱水になりやすい状態です。水分補給はこまめに行いましょう。
- 経口補水液(OS-1など):電解質のバランスが整っている
- スポーツドリンク:糖分が多いため薄めて飲むと良い
- 湯冷まし・麦茶:カフェインを含まないものを
脱水のサインに注意
尿の量が減る、尿の色が濃い、口唇や口腔内の乾燥、皮膚の弾力低下(手の甲をつまんでも戻りにくい)が見られたら、水分が十分に取れていない可能性があります。
安静と休養
発熱は体が感染症と戦っているサインでもあります。無理をせず、十分な休養をとることが回復への近道です。
解熱剤の正しい使い方
解熱剤は熱そのものを治すのではなく、つらい症状を和らげて休養や水分補給をしやすくすることが目的です。
- アセトアミノフェン(カロナール等):妊婦・授乳中・小児にも比較的安全
- イブプロフェン・ロキソプロフェン:効果は強いが胃腸への負担あり、腎機能低下時は注意
15歳未満にアスピリンは使用しない
インフルエンザやみずぼうそうに罹患している小児にアスピリン系解熱剤を使用すると、ライ症候群という重篤な合併症(脳症・肝機能障害)を引き起こすリスクがあります。必ずアセトアミノフェンを使用してください。
食事
食欲がないときに無理に食べる必要はありません。水分をしっかり摂り、消化の良いもの(おかゆ・うどん・スープ・ゼリー等)を少量ずつ摂取しましょう。脂っこいもの・刺激物・アルコールは控えてください。
周囲への感染対策
感染症が疑われるときは、家族内感染を防ぐため以下に注意してください。
- マスクの着用と定期的な交換
- こまめな手洗い・うがい
- タオル・食器の共用を避ける
- 室内の換気(1〜2時間に1回)
当院での発熱診療の特徴
- インフルエンザ・新型コロナ・溶連菌の迅速検査に対応(10〜15分で結果判定)
- 血液検査・尿検査・胸部X線で原因を総合的に診断
- 点滴・抗ウイルス薬・抗生剤・解熱剤を症状に応じて処方
- 予約なしでの当日受診が可能
- 毎日9〜21時診療、十条駅から徒歩1分
- 内科・皮フ科併設で、発熱に伴う発疹などの皮膚症状にもワンストップで対応
発熱で受診される方へ
他の患者さまへの感染防止のため、来院前にお電話またはWEB予約でご一報いただけるとスムーズにご案内できます。マスクの着用にもご協力をお願いいたします。





