溶連菌感染症の症状・検査・治療|登校基準・合併症を医師が解説
「のどが強く痛むのに咳は出ない」「子どもが高熱を出して、体に細かい発疹が出てきた」「溶連菌と診断されたが、いつから学校に行けるの?」——溶連菌感染症は、お子様に多い一方で大人もかかる病気です。抗菌薬をきちんと最後まで飲みきらないと、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの合併症を起こすことがあるため、正しい診断と治療が重要です。
当院(十条駅ハル内科・皮フ科クリニック)では、溶連菌の迅速検査(5〜10分程度で結果判明)と抗菌薬治療に対応しています。お子様の診療も積極的に行っておりますので、お気軽にご相談ください。
溶連菌感染症とは
溶連菌感染症は、A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)という細菌によって起こる感染症です。主にのど(咽頭・扁桃)に感染し、「溶連菌性咽頭炎」「扁桃炎」を引き起こします。飛沫感染・接触感染で広がり、幼稚園・保育園・小学校などで流行しやすいのが特徴です。
好発年齢は4〜15歳前後ですが、大人にも感染します。特にお子様から家族へうつるケースが多く、ご家族に発症者がいる場合は注意が必要です。
溶連菌の主な症状
|
症状 |
特徴 |
|
のどの強い痛み |
飲み込むときに強く痛む。扁桃が赤く腫れ、白い膿(白苔)が付くことも |
|
発熱 |
38〜39℃台の高熱が出ることが多い |
|
発疹(猩紅熱) |
体や手足に細かい赤い発疹が出ることがある。かゆみを伴うことも |
|
いちご舌 |
舌がいちごのように赤くブツブツになる |
|
頭痛・腹痛・嘔吐 |
お子様では腹痛や嘔吐を伴うことがある |
|
首のリンパ節の腫れ |
あごの下や首のリンパ節が腫れて痛む |
ポイント:溶連菌では咳や鼻水が「出にくい」のが特徴です。「のどは激しく痛いのに咳が出ない」場合は、普通の風邪ではなく溶連菌の可能性があります。
検査——迅速検査でその場で診断できます
溶連菌は、のどを綿棒でこする「迅速抗原検査」で診断できます。検査時間は5〜10分程度で、当日中に結果がわかります。症状や周囲の流行状況とあわせて医師が総合的に判断します。
当院ではインフルエンザ・新型コロナ・マイコプラズマなどの迅速検査にも対応しているため、「高熱の原因がどれかわからない」場合も、同日に鑑別が可能です。
治療——抗菌薬は「最後まで飲みきる」ことが最重要
溶連菌と診断された場合、ペニシリン系などの抗菌薬を約10日間内服します。抗菌薬を飲み始めると多くの場合1〜2日で熱が下がり、のどの痛みも改善します。
ポイント:症状が良くなっても、処方された抗菌薬は必ず最後まで飲みきってください。途中でやめると菌が残り、再発やリウマチ熱・急性糸球体腎炎などの合併症のリスクが高まります。
登校基準——いつから学校・幼稚園に行ける?
溶連菌感染症は、学校保健安全法で「学校において予防すべき感染症(第三種・その他の感染症)」に位置づけられています。一律の出席停止期間は定められていませんが、一般的な登校(登園)の目安は次のとおりです。
|
項目 |
内容 |
|
登校・登園の目安 |
適切な抗菌薬の内服開始後24時間以上が経過し、熱が下がって全身状態が良好であれば登校(登園)可能 |
|
根拠 |
抗菌薬内服開始から24時間経過すると、他人への感染力はほぼなくなるとされているため |
|
注意点 |
登校できても抗菌薬は約10日間、最後まで飲みきることが必要 |
|
登校許可証 |
園・学校によっては登校(登園)許可証の提出を求められる場合あり。当院で記入可能ですのでご相談ください |
溶連菌の合併症——治療をきちんと行うべき理由
溶連菌感染症そのものは抗菌薬でよく治る病気ですが、治療が不十分だと、数週間後に次のような合併症を起こすことがあります。
|
合併症 |
発症時期の目安 |
主な症状 |
|
急性糸球体腎炎 |
感染後1〜3週間 |
まぶた・顔のむくみ、血尿(コーラ色の尿)、尿量の減少、血圧上昇 |
|
リウマチ熱 |
感染後2〜3週間 |
発熱、関節の痛み・腫れ、心臓の炎症(心炎)。心臓弁膜症の原因になることも |
|
扁桃周囲膿瘍 |
急性期 |
扁桃の周りに膿がたまり、口が開きにくい・強い痛み |
治療後2〜4週間の間に、「尿の色が濃い・コーラ色」「顔や足がむくむ」「関節が痛む」などの症状が出た場合は、必ず再受診してください。当院では尿検査でその場で確認できます。
大人の溶連菌について
大人が溶連菌にかかると、「ただの風邪」と思って受診が遅れがちです。強いのどの痛み・高熱があるのに咳や鼻水が少ない場合は、溶連菌を疑って検査を受けることをおすすめします。お子様の看病をしているご家族の感染も多いため、同時期にのどの痛みが出た場合はご家族での受診も可能です。
当院での診療の流れ
-
① 来院・問診:症状の経過、周囲の流行状況、ご家族の発症の有無をお聞きします
-
② 診察・迅速検査:のどの状態を確認し、綿棒で検体を採取。5〜10分程度で結果がわかります
-
③ 治療:陽性の場合、抗菌薬(約10日分)と症状を和らげるお薬を処方します
-
④ 登校・登園の指導:登校の目安をご説明し、必要に応じて登校許可証を記入します
-
⑤ 経過観察:治療後に気になる症状(むくみ・血尿・関節痛など)があれば再受診してください





